Ushba Tesoro

The Lazy King Ushba Tesoro

「やる気がない」のではない。
「全て」を直線に懸けているのだ。

PROFILE

生誕2017.03.04
調教師高木登 (美浦)
主戦騎手川田将雅 / 横山和生
通算成績39戦11勝 [11-4-6-18]
主な勝鞍 ドバイワールドカップ (G1)
東京大賞典 (GI) 2連覇
川崎記念 (JpnI)
日本テレビ盃 (JpnII)

PEDIGREE

FATHER
オルフェーヴル
(日本) 2008
ステイゴールド
オリエンタルアート
×
MOTHER
ミルフィアタッチ
(日本) 2006
キングカメハメハ
レッドチリペッパー

父は稀代の暴君、母の父は万能の王。芝で未完成だった才能は、5歳にしてダートという新天地を得たことで劇的に開花した。オルフェーヴル譲りの爆発的な底力が、砂の上で異次元の末脚へと昇華された。

CAREER RECORD

主要レース成績

TOTAL: 39 RUNS 11 - 4 - 6 - 18
DATERACE NAMECOURSE / DIST.JOCKEYRESULT
2025.04.05ドバイワールドカップ (G1)メイダン / ダ2000m菅原明良6th
2024.03.30ドバイワールドカップ (G1)メイダン / ダ2000m川田将雅2nd
2024.02.24サウジカップ (G1)K.アブドゥルアズィーズ / ダ1800m川田将雅2nd
2023.12.29東京大賞典 (GI)大井 / ダ2000m川田将雅1st
2023.03.25ドバイワールドカップ (G1)メイダン / ダ2000m川田将雅1st
2023.02.01川崎記念 (JpnI)川崎 / ダ2100m横山和生1st
2022.12.29東京大賞典 (GI)大井 / ダ2000m横山和生1st
2022.04.30横浜ステークス (3勝クラス)東京 / ダ2100m横山和生1st
2019.08.252歳新馬新潟 / 芝1800m大野拓弥5th
CAREER HIGHLIGHTS

覚醒の系譜

01
Tokyo Daishoten
3-6
2022.12.29 / 大井 2000m

THE AWAKENING

第68回 東京大賞典

ダート転向わずか5戦目。まだ砂の伏兵に過ぎなかった彼は、大井の直線で猛然と突き抜けた。上がり3ハロン37.2秒。他馬が砂に足を取られる中、彼だけが別の馬場を走っているかのような加速を見せ、一気に頂点へと駆け上がった。

TIME
2:05.0
LAST 3F
37.2
02
Dubai World Cup
14
2023.03.25 / メイダン 2000m

GLOBAL DOMINATION

ドバイワールドカップ

最後方から砂を被り、絶望的な位置で迎えた直線。川田将雅の激に応えた彼は、外から矢のように伸びた。世界の強豪を飲み込み、日本馬として12年ぶり、ダート開催では史上初の制覇。日本競馬の悲願が、ドバイの夜空に結実した。

1着 ウシュバテソーロ 2着 アルジールス
03
Tokyo Daishoten 2023
5-9
2023.12.29 / 大井 2000m

THE KING'S RETURN

第69回 東京大賞典

世界を制してなお、その渇きは癒えない。凱旋レースとなった大井。引退を控えたライバルや新星たちを相手に、格の違いを見せつける連覇達成。ドバイでの勝利がフロックでないことを、自らの蹄跡で証明してみせた。

TIME
2:07.3
RESULT
WIN
04
Saudi Cup
11
2024.02.24 / K.アブドゥルアズィーズ 1800m

LIMITLESS STRIDE

サウジカップ

世界最高賞金1000万ドルを懸けた決戦。宿敵セニョールバスカドールとの壮絶な叩き合い。わずか頭差、ミリ単位の決着で2着に敗れるも、その走りは全世界に「日本のウシュバ」の恐ろしさを再認識させるに十分だった。

1着 セニョールバスカドール 2着 ウシュバテソーロ
DATA ANALYTICS

歴代最高額の
賞金王

2024年のドバイワールドカップ2着により、彼の獲得賞金は22億1,567万円に到達。あのイクイノックスを抜き去り、日本競馬史上最も多くの賞金を稼ぎ出した馬となった。5歳まで条件戦を彷徨っていた馬が、世界の頂でマネーゲームを制した事実は、競馬の持つ無限の夢を体現している。

22.1B

TOTAL EARNINGS

歴代獲得賞金1位

※2024年3月時点

PRIZE MONEY COMPARISON

日本競馬界の頂点
EQUINOX¥2,215,446,100
LEGEND
USHBA TESORO¥2,215,678,200
THE RICHEST
ALMOND EYE¥1,915,263,900
QUEEN
獲得賞金比較(海外含む)
USHBA TESORO
あとはレースで頑張る気持ちを見せてくれるか、
そこにフォーカスして乗りました。
主戦騎手 川田将雅
ドバイWC勝利後会見
下を向いて集中している。
気合が乗っていて、一触即発の状態。
調教師 高木登
パドックでの様子について
FAN VOICES

ファンからの声

S

ドバイでのあの追い込み、深夜に絶叫しました。芝で勝てなかった馬がダートで世界一になるなんて、これだから競馬はやめられない。

W

パドックのやる気なさそうな姿を見るたびに「月曜朝の自分だ」と親近感が湧きます。でも走り出すと最強。そのギャップがたまらない。

D

日本馬にとって難攻不落だった海外ダートの壁を、彼はあっさりと壊してくれた。引退は寂しいけれど、素晴らしい夢をありがとう。

BEHIND THE SCENES

秘蔵エピソード

世界を制した怪物の、愛すべき「怠惰」な素顔

01

「月曜日のサラリーマン」

追い切り前、既に調教を終えた他馬が厩舎へ帰る姿を見ると、自分も一緒に帰ろうとして抵抗する。川田騎手が証言したその「怠惰」なエピソードはファンの間で爆発的な人気を呼び、「月曜朝のサラリーマン」という愛称が定着した。オンとオフの切り替えが天才的な、彼らしい一面である。

02

父から息子へ贈られた賛辞

2023年の川崎記念後、横山和生騎手は父・典弘から「自分が乗ってあのレースプランを選択できるかわからない」と最大級の賛辞を受けた。百戦錬磨の父をも驚かせたその走りは、ウシュバテソーロという馬が持つ底知れない操縦性と、鞍上との深い信頼関係が成し得た芸術品だった。

Senor Buscador
THE ARCHRIVAL
DESTINY

SENOR BUSCADOR

セニョールバスカドール

世界最高峰の舞台で、宿命のように対峙した米国の強豪。 2024年サウジカップ。直線、先に抜け出したウシュバテソーロを、外から猛然と追い詰めたのが彼だった。

1000万ドルの賞金を懸けた、1センチを争う死闘。写真判定の結果、ウシュバは鼻差で敗れた。 しかし、この敗北こそが、日本馬がアメリカの純血ダート馬と対等に渡り合えることを世界に知らしめた、歴史的一戦となったのである。

2024SAUDI CUP
2ndウシュバテソーロ
vs
1stセニョールバスカドール

砂に刻んだ大器晩成

砂に刻んだ大器晩成

その馬は、かつて迷いの中にいた。父オルフェーヴルの強烈な血を継ぎながら、芝のレースでは決定打を欠き、条件戦を足踏みする日々。39戦という長いキャリアの半分以上を、彼は「未完の大器」という言葉とともに過ごしていた。しかし、5歳の春。陣営が下した「ダート転向」という決断が、眠れる怪物を目醒めさせることになる。

遅れてきた黄金の衝撃

砂の上で、彼は水を得た魚のように躍動した。後方待機から爆発的な末脚を繰り出すそのスタイルは、かつて世界のターフを沸かせた父の姿を彷彿とさせた。東京大賞典でGI初制覇を果たすと、そこからは快進撃が止まらない。日本国内では収まりきらないその才能は、自然と海を越え、中東の砂漠へと向かった。

メイダンの夜に響いた咆哮

2023年ドバイワールドカップ。それは日本競馬史に刻まれる奇跡の夜だった。先行有利とされるメイダンの馬場で、彼は最後方から一気に全頭をぶち抜いた。「日本馬には無理だ」と言われ続けてきたダートの本場での勝利。泥だらけの顔で先頭を駆け抜けたウシュバテソーロの姿に、世界中のホースマンが戦慄した。この瞬間、彼は日本競馬の歴史を塗り替える「賞金王」への階段を登り始めたのだ。

終わりなき挑戦の果てに

サウジ、ドバイ、そしてアメリカ。彼は常に世界最強の座を求め、過酷な輸送と環境の変化に耐え続けた。パドックで見せるやる気のなさは、裏を返せば極限の集中力と強固なメンタルの証。どれほどの名馬でも超えられなかった22億円という壁を突き破り、彼は静かにターフを去る。2025年4月、ドバイ。最後の直線で見せた不屈の走りは、最後まで「ウシュバテソーロ」という稀代の個性派そのものだった。

「日本人ジョッキーが世界で戦えることを示せて誇りに思います」
――川田将雅

大器晩成。その言葉をこれほどまでに見事に証明した馬が他にいただろうか。芝での苦闘も、砂での栄光も、すべては彼が最強であることを証明するための伏線だった。ウシュバテソーロ。彼が残した22億円の蹄跡は、これからも夢を追うすべてのホースマンにとっての北極星となるだろう。