Tastiera

The VirtuosoTastiera

その調べは、
世界の空に鳴り響いた。

PROFILE

生誕2020.03.22
調教師堀宣行 (美浦)
主戦騎手D.レーン / 松山弘平
通算成績14戦4勝 [4-3-1-6]
主な勝鞍東京優駿 (G1)
クイーンエリザベス2世C (G1)
弥生賞ディープインパクト記念 (G2)

PEDIGREE

FATHER
サトノクラウン
(日本) 2012
Marju
ジョコンダII
×
MOTHER
パルティトゥーラ
(日本) 2014
マンハッタンカフェ
フォルテピアノ

父は香港ヴァーズを制した国際派のタフネス、母の父は三冠を分け合った漆黒のステイヤー。日本向きの軽さと、欧州的な底力が奇跡的なバランスで融合し、過酷な多頭数レースでも怯まない勝負根性を育んだ。

CAREER RECORD

全レース成績

TOTAL: 14 RUNS4 - 3 - 1 - 6
DATERACE NAMECOURSE / DIST.JOCKEYRESULT
2025.11.30ジャパンカップ (G1)東京 / 芝2400mD.レーン7th
2025.11.02天皇賞・秋 (G1)東京 / 芝2000mD.レーン8th
2025.04.27クイーンエリザベス2世C (G1)シャティン / 芝2000mD.レーン1st
2024.12.08香港カップ (G1)シャティン / 芝2000mD.レーン3rd
2024.10.27天皇賞・秋 (G1)東京 / 芝2000m松山弘平2nd
2024.04.28天皇賞・春 (G1)京都 / 芝3200mJ.モレイラ7th
2024.03.31大阪杯 (G1)阪神 / 芝2000m松山弘平11th
2023.12.24有馬記念 (G1)中山 / 芝2500mR.ムーア6th
2023.10.22菊花賞 (G1)京都 / 芝3000mJ.モレイラ2nd
2023.05.28東京優駿 (G1)東京 / 芝2400mD.レーン1st
2023.04.16皐月賞 (G1)中山 / 芝2000m松山弘平2nd
2023.03.05弥生賞ディープインパクト記念 (G2)中山 / 芝2000m松山弘平1st
2023.02.12共同通信杯 (G3)東京 / 芝1800m福永祐一4th
2022.11.272歳新馬東京 / 芝1800mR.ムーア1st
CAREER HIGHLIGHTS

不屈の軌跡

01
Tokyo Yushun
6-12
2023.05.28 / 東京 2400m

THE CLIMAX

第90回 東京優駿(日本ダービー)

皐月賞2着の悔しさを胸に挑んだ、世代の頂点。道中4番手の好位でピタリと折り合い、直線で力強く抜け出す。迫るライバルたちをクビ差退けたその走りに、レーン騎手の手綱が冴え渡った。7,524頭の頂点、ダービー馬の称号をその手に掴んだ瞬間だった。

TIME
2:25.2
LAST 3F
33.5
02
Tenno Sho Autumn
4
2024.10.27 / 東京 2000m

THE RESURRECTION

第170回 天皇賞(秋)

大阪杯11着という衝撃の敗戦から半年。9番人気という低評価を、彼は自らの脚で覆した。勝ったドウデュースには届かなかったものの、上がり33.4秒の末脚で2着に食い込み、ダービー馬の威厳を取り戻した復活劇。多くのファンが彼の底力に改めて震えた夜だった。

1着 ドウデュース2着 タスティエーラ
03
QEII Cup
1
2025.04.27 / シャティン 2000m

GLOBAL VICTORY

クイーンエリザベス2世カップ

香港の空の下、再びD.レーンとのコンビで挑んだ国際大舞台。プログノーシスら強豪を相手に、1馬身半差をつける完勝。1年11ヶ月ぶりの勝利は、日本の枠を超えた世界レベルの証明となった。「ジンクスブレイカー」の真骨頂が、シャティン競馬場に刻まれた。

TIME
2:00.51
STATUS
OVERSEAS G1
DATA ANALYTICS

不屈の
復活インデックス

2024年大阪杯での11着という大敗は、多くの者に「終わった」と思わせるに十分な衝撃だった。しかし、堀調教師による綿密な再調整を経て、彼は再び輝きを取り戻した。2024年天皇賞(秋)での上がり33.4秒、そして香港での戴冠。批判を力に変えて再浮上するその強靭な精神構造こそが、タスティエーラという馬の本質である。

REVIVE

JINX BREAKER

大敗からの完全復活

※2024 天皇賞・秋 2着 / 2025 QEII Cup 1着

PERFORMANCE RECOVERY

不振を振り払った劇的変化
OSAKA HAI (11th)1:58.9
DEEP SLUMP
TENNO SHO AUTUMN (2nd)1:57.5
STRONG RETURN
QEII CUP (1st)2:00.51
WORLD CHAMPION
海外G1制覇
TASTIERA
この馬はプロフェッショナルだ。
自分の仕事をよく分かっている。
主戦騎手 D.レーン
ダービー優勝後コメントより
能力をしっかり生かせば、
最高の結果を出せると確信していた。
調教師 堀宣行
引退会見を控えて
FAN VOICES

ファンからの声

S

皐月賞2着で悔し泣きした後のダービー制覇。レーン騎手の完璧なエスコートに震えました。世代が弱いなんて言わせない、最高の走りでした!

M

天皇賞秋で9番人気。正直ノーマークでしたが、直線でのしぶとい伸び脚を見て「これがダービー馬だ」と脱帽しました。本当に勝負強い。

H

シャティンの地で、君の「キーボード」が奏でた旋律は最高に美しかった。プログノーシスを退けての優勝、一生忘れません!

BEHIND THE SCENES

秘蔵エピソード

強気なレースぶりの裏に隠された、愛らしい素顔

01

おっとりとした「愛されキャラ」

ノーザンファームのスタッフによれば、子馬時代の彼は驚くほど従順で人懐っこかった。誰でも触れるほど穏やかで、人の姿を見つけるとトコトコと寄ってくる姿にスタッフは皆メロメロだったという。そのビビリで優しい性格が、レースでの繊細かつ大胆な立ち回りに繋がっていたのかもしれない。

02

母に捧げるダービーの栄光

ダービー制覇の瞬間、牧場時代を担当したスタッフの目には涙が浮かんでいた。そのスタッフが口にしたのは「お母さん(パルティトゥーラ)に1着取ったよって言って首筋を撫でてあげたい」という言葉だった。一頭の馬を家族のように愛し、見守ってきた人々の想いが、あのゴールを後押ししたのだ。

Do Deuce
THE ARCHRIVAL
DESTINY

DO DEUCE

ドウデュース

一学年上のダービー馬として、常に大きな壁であり続けたドウデュース。2024年の天皇賞(秋)、タスティエーラはかつてない激走を見せ、王者を追い詰めた。わずか0.2秒の差。その背中を捕らえることは叶わなかったが、二頭のダービー馬による叩き合いは、府中の空を熱狂の渦に巻き込んだ。最強のライバルがいたからこそ、彼の輝きはより鮮明になったのである。

2024天皇賞(秋)
2ndタスティエーラ
vs
1stドウデュース

旋律は未来へ

旋律は未来へ

タスティエーラ。イタリア語で「鍵盤」を意味するその名は、まさに彼の歩んだリズムそのものだった。時に軽やかに、時に重厚に。彼がターフで奏でた旋律は、世代の頂点からどん底の大敗、そして異国の地での劇的な復活まで、聴く者の心を揺さぶる変奏曲のようだった。

不信を力に変えた戴冠

彼が日本ダービーを制したとき、一部のファンからは「幸運な勝利」という声も上がった。皐月賞2着からの反撃。スローペースを見越した完璧な先行策。しかし、その勝利の価値を彼自身が証明し続ける日々が始まる。父サトノクラウンから譲り受けた勝負根性と、母系から引き継いだ豊かなスタミナ。彼は常に、自分に向けられる懐疑的な視線を、自らの走りによって上書きしていった。

香港の空に響いた復活の音色

4歳春の大阪杯11着。誰もがその衰えを疑ったとき、陣営は決して諦めなかった。堀宣行調教師による繊細な調整、そして馬自身の持つ「賢さ」が再び噛み合ったとき、奇跡は起きた。2025年、香港・シャティン。盟友ダミアン・レーンと共に掴み取ったクイーンエリザベス2世カップの勝利は、日本のダービー馬が世界のトップクラスであることを、これ以上ない形で証明してみせた。1年11ヶ月という長い沈黙を破る一撃は、まさに彼のキャリアにおける最大のクライマックスだった。

美しき終止符

2025年12月28日、有馬記念。彼は最後の舞台に立つ。14戦という激動のキャリアを経て、彼は今、最高に研ぎ澄まされた状態でラストランを迎えようとしている。勝っても負けても、彼がターフに刻んできた「不屈」の二文字は、次代へと引き継がれる種牡馬としての価値を揺るぎないものにするだろう。最後の旋律が鳴り止むその時まで、私たちは彼の背中に、真の王者の姿を見続ける。

「彼は自分の仕事を完璧に理解している、真のプロフェッショナルだ」
――D.レーン

さらば、不屈の鍵盤。君が奏でた不朽の名曲は、日本の競馬史の中に、永遠に響き渡り続ける。未来のターフに現れるであろう彼の産駒たちが、また新しい調べを紡ぎ出すその日まで。