Makahiki

The Resilient Makahiki

「最速」の称号を、
「不屈」の伝説へ。

PROFILE

生誕2013.01.28
調教師友道康夫 (栗東)
主戦騎手川田将雅 / C.ルメール
通算成績28戦6勝 [6-3-2-17]
主な勝鞍 東京優駿 (G1)
京都大賞典 (G2)
弥生賞 (G2)
ニエル賞 (G2)

PEDIGREE

FATHER
ディープインパクト
(日本) 2002
サンデーサイレンス
ウインドインハーヘア
×
MOTHER
ウィキウィキ
(日本) 2004
フレンチデピュティ
リアルナンバー

父は近代競馬の結晶、母系はアルゼンチンの名牝に連なる。瞬発力のディープに、母方のタフさと成長力が融合。8歳になっても第一線で走り、自ら進路をこじ開ける強い操縦性は「リアルナンバー牝系」の真骨頂である。

CAREER RECORD

全レース成績

TOTAL: 28 RUNS 6 - 3 - 2 - 17
DATERACE NAMECOURSE / DIST.JOCKEYRESULT
2022.08.21札幌記念 (G2)札幌 / 芝2000m武豊16th
2022.04.03大阪杯 (G1)阪神 / 芝2000m岩田望来14th
2022.02.13京都記念 (G2)阪神 / 芝2200m岩田望来11th
2021.11.28ジャパンカップ (G1)東京 / 芝2400m藤岡康太14th
2021.10.10京都大賞典 (G2)阪神 / 芝2400m藤岡康太1st
2021.05.02天皇賞・春 (G1)阪神 / 芝3200m藤岡康太8th
2020.11.29ジャパンカップ (G1)東京 / 芝2400m三浦皇成9th
2020.04.05大阪杯 (G1)阪神 / 芝2000mL.ヒューイットソン11th
2019.11.24ジャパンカップ (G1)東京 / 芝2400m武豊4th
2019.10.27天皇賞・秋 (G1)東京 / 芝2000m武豊10th
2019.06.23宝塚記念 (G1)阪神 / 芝2200m岩田康誠11th
2019.03.31大阪杯 (G1)阪神 / 芝2000m岩田康誠4th
2019.02.10京都記念 (G2)京都 / 芝2200m岩田康誠3rd
2018.12.23有馬記念 (G1)中山 / 芝2500m岩田康誠10th
2018.10.28天皇賞・秋 (G1)東京 / 芝2000m武豊7th
2018.08.19札幌記念 (G2)札幌 / 芝2000mC.ルメール2nd
2017.11.26ジャパンカップ (G1)東京 / 芝2400m内田博幸4th
2017.10.29天皇賞・秋 (G1)東京 / 芝2000m内田博幸5th
2017.10.08毎日王冠 (G2)東京 / 芝1800m内田博幸6th
2017.04.02大阪杯 (G1)阪神 / 芝2000mC.ルメール4th
2017.02.12京都記念 (G2)京都 / 芝2200mR.ムーア3rd
2016.10.02凱旋門賞 (G1)仏シャンティイ / 芝2400mC.ルメール14th
2016.09.11ニエル賞 (G2)仏シャンティイ / 芝2400mC.ルメール1st
2016.05.29日本ダービー (G1)東京 / 芝2400m川田将雅1st
2016.04.17皐月賞 (G1)中山 / 芝2000m川田将雅2nd
2016.03.06弥生賞 (G2)中山 / 芝2000mC.ルメール1st
2016.01.23若駒S (OP)京都 / 芝2000mC.ルメール1st
2015.10.182歳新馬京都 / 芝1800mM.デムーロ1st
CAREER HIGHLIGHTS

不屈の蹄跡

01
Tokyo Yushun
2-3
2016.05.29 / 東京 2400m

THE GLORY

第83回 日本ダービー

最強世代と謳われた2016年。サトノダイヤモンドとの叩き合いは、まさに歴史に残る死闘となった。ゴール板直前、内から伸びるマカヒキと外から迫る宿敵。わずか8センチ、ハナ差の決着。若き天才が世代の頂点に立った、最も輝かしい瞬間だった。

TIME
2:24.0
MARGIN
NOSE
02
Prix Niel
5
2016.09.11 / 仏シャンティイ 2400m

FRENCH ECHO

ニエル賞

父ディープインパクトが果たせなかった凱旋門賞制覇の夢を背負い、海を渡った。少頭数のスローペース、慣れない欧州の芝。ルメールの導きに応え、外から豪快に突き抜けたこの勝利に、日本中のファンが「世界」への扉が開く予感を抱いた。

1着 マカヒキ 2着 Midterm
03
Kyoto Daishoten
6-8
2021.10.10 / 阪神 2400m

THE REVIVAL

第56回 京都大賞典

前走の勝利から1960日。8歳になったダービー馬を「終わった存在」と呼ぶ声もあった。しかし、阪神の直線でマカヒキは再び吠えた。猛追するアリストテレスをハナ差で封じ込めた執念。5年ぶりの復活勝利に、競馬場は割れんばかりの拍手に包まれた。

INTERVAL
1960 DAYS
AGE
8 YEARS
04
Yayoi Sho
10
2016.03.06 / 中山 2000m

RAPID TALENT

第53回 弥生賞

無敗の2歳王者リオンディーズ、良血の天才エアスピネル。三強対決と呼ばれた一戦で、マカヒキは異次元の瞬発力を見せつけた。大外から一気に飲み込んだその脚は、父ディープインパクトを彷彿とさせ、クラシック最有力候補としての地位を決定づけた。

1着 マカヒキ 2着 リオンディーズ
DATA ANALYTICS

不屈の
復活レコード

2021年の京都大賞典で、マカヒキはダービー馬として史上最長となる5年4カ月10日という重賞勝利間隔を記録した。かつての「閃光」のような切れ味は、加齢とともに「重厚」なパワーへと進化。幾多の敗戦を乗り越えて掴んだこの再起の記録は、単なる数値を超えた、サラブレッドの精神的な強さを象徴している。

1960

RESURRECTION DAYS

重賞勝利ブランク

※ダービー馬史上最長記録

WINNING INTERVALS

不屈の歩み
TYPICAL INTERVAL 0.5 - 1 YEAR
NORMAL CASE
MAKAHIKI (2016-2021) 5.3 YEARS
UNPRECEDENTED
PREVIOUS RECORD -
DERBY WINNER RECORD
ダービー馬としての空白期間
MAKAHIKI
今のうちの厩舎があるのは、
マカヒキがダービーを獲らせてくれたから。
調教師 友道康夫
引退時のコメントより
ニエル賞では、3、4馬身は
離して勝てると思っていました。
騎手 C.ルメール
フランス遠征時の期待を込めて
FAN VOICES

ファンからの声

D

あの鼻差。サトノダイヤモンドとの叩き合いは、一生忘れることができません。金子オーナーの勝負強さと、マカヒキの気迫。これぞ競馬という歴史的な一戦でした。

H

京都大賞典でマカヒキが伸びてきたとき、自然と涙が出ました。「もう無理だ」と言われ続けても走り続け、最後に輝く。勇気をもらえた復活劇でした。

M

ディープインパクトの産駒の中でも、これほど長く一線級で走り続けた馬は珍しい。アルゼンチン血統の成長力の高さを、マカヒキが自ら証明してくれましたね。

BEHIND THE SCENES

秘蔵エピソード

偉大なダービー馬が見せた、信念と慈愛の素顔

01

脚元の強靭さと大事に使う哲学

マカヒキが9歳まで現役を続けられた最大の要因は、その「丈夫さ」にある。友道調教師は「脚元に全く問題がなかった、本当に偉い馬」と称えた。過密なスケジュールを避け、一戦一戦を慎重に使う金子オーナーと厩舎の管理方針があったからこそ、5年という沈黙の末の復活劇が可能となったのである。

02

受け継がれる「空飛ぶ英雄」のバトン

種牡馬入り後、マカヒキへの期待は非常に高い。2024年のセレクトセールでは、初年度産駒が1億5000万円という高額で落札された。父ディープインパクトの末脚と、マカヒキ自身のタフネス。その稀有な融合は、次世代のサラブレッドたちに「勝つこと」と「走り続けること」の双方を伝えていく。

Satono Diamond
THE ETERNAL RIVAL
DESTINY

SATONO DIAMOND

サトノダイヤモンド

同じ2013年1月生まれ、同じディープインパクト産駒。同期の二頭は、常に比較され、切磋琢磨し合う運命にあった。

2016年の日本ダービー。それは日本競馬史に残る、二頭の競演だった。マカヒキが内から、サトノダイヤモンドが外から。互いの誇りをかけた叩き合いの結果は、わずか8cmのハナ差。あの決着が、マカヒキをダービー馬にし、サトノダイヤモンドを菊花賞馬へと導いた。

古馬となり、歩む道は分かれたが、ファンは常にサトノダイヤモンドの影にマカヒキを、マカヒキの影にサトノダイヤモンドを見ていた。最強世代の双璧として、彼らは共に一時代を築き上げたのである。

2016 日本ダービー
1st マカヒキ
vs
2nd サトノダイヤモンド

ハナ差に宿る魂、復活のダービー馬

ハナ差に宿る魂、復活のダービー馬

2016年5月29日。東京競馬場の直線、熱狂の渦の中でマカヒキは「時代の寵児」となった。最強世代のライバル、サトノダイヤモンドとの激突は、わずか8センチという鼻差で決した。その瞬間、マカヒキはディープインパクトが遺した数多の傑作の中でも、ひときわ眩い光を放つ存在として、競馬史に名を刻んだ。

栄光から、フランスの土、そして沈黙へ

ダービー馬の称号を携えて挑んだフランス・シャンティイ。前哨戦のニエル賞を快勝し、世界制覇の夢は現実に近づいたかに見えた。しかし、本番の凱旋門賞で待っていたのは14着という残酷な現実だった。帰国後、彼は「かつての自分」を探し求めるかのような数年間を過ごすことになる。 4歳、5歳、6歳。G1の舞台で善戦はするものの、勝利の女神が再び微笑むことはなかった。「マカヒキは終わった」。そんな心ない言葉が聞こえてくるようになっても、彼は静かに、しかし力強く走り続けた。陣営は彼の丈夫な身体と、消えることのない闘志を信じ、無理のないローテーションで彼をターフに送り続けた。

2021年、1960日の闇を切り裂いた咆哮

奇跡は、誰もが予想だにしなかった瞬間に訪れた。2021年、京都大賞典。8歳になったマカヒキは、阪神の直線でかつての自分を彷彿とさせる伸びを見せた。前を行く若き強豪アリストテレス。その背中を、一完歩ごとに削り取る。ゴール前、またしても訪れた「ハナ差」の激戦。 長い写真判定の末、掲示板の一番上に「8」が灯った瞬間、競馬場は静寂の後に大きな歓喜に包まれた。5年4カ月、日数にして1960日。ダービー馬が再び重賞を制するまでに要したこの時間は、日本競馬史上最も美しく、泥臭い復活劇として語り継がれることになるだろう。

次世代へ繋ぐ、不屈の意志

マカヒキという馬を語る際、私たちは「ハナ差」という言葉を避けて通ることはできない。ダービーを制した8センチ、そして復活を遂げた数センチ。そのわずかな差を埋めるために、彼は28戦、7年という月日を走り抜いた。 引退した今、彼は種牡馬として新たな使命に挑んでいる。彼が伝えていくのは、父ディープインパクトから譲り受けたスピードだけではない。絶望の中でも足を止めない、あの「不屈の魂」である。いつかまた、マカヒキの血を引く子が、ハナ差の激戦を制するその日まで。私たちは、走り続けたあの鹿毛の背中を忘れることはないだろう。

「マカヒキがダービーを獲らせてくれたから、今の厩舎がある」
――友道康夫

かつて「閃光」と呼ばれた天才は、いつしか「伝説」と呼ばれる不屈の象徴となった。マカヒキ。その名は、ハワイ語で「収穫祭」を意味する。彼がその長いキャリアを通じて収穫したのは、数多の勝利以上に価値のある、競馬を愛する人々の「感動」そのものだったのかもしれない。