Lord Kanaloa

The Dragon KingLord Kanaloa

「スプリント」の概念すら、
彼には退屈すぎた。

PROFILE

生誕2008.03.11
調教師安田隆行 (栗東)
主戦騎手岩田康誠 / 福永祐一
通算成績19戦13勝 [13-5-1-0]
主な勝鞍香港スプリント (G1) 2連覇
安田記念 (G1)、高松宮記念 (G1)
スプリンターズS (G1) 2連覇
京阪杯 (G3)、シルクロードS (G3)

PEDIGREE

FATHER
キングカメハメハ
(日本) 2001
Kingmambo
マンファス
×
MOTHER
レディブラッサム
(日本) 1996
Storm Cat
Saratoga Dew

父は変則二冠馬にして大種牡馬、母父は世界的なスピードの象徴ストームキャット。さらに5代母は名馬セクレタリアトの全姉という究極のスピード血統が融合。「スプリントの音ではない」と評された強靭な心肺機能は、この血の結晶から生まれた。

CAREER RECORD

全19戦 無敗の連対史

TOTAL: 19 RUNS13 - 5 - 1 - 0
DATERACE NAMECOURSE / DIST.JOCKEYRESULT
2013.12.08香港スプリント (G1)沙田 / 芝1200m岩田康誠1st
2013.09.29スプリンターズS (G1)中山 / 芝1200m岩田康誠1st
2013.09.08セントウルS (G2)阪神 / 芝1200m岩田康誠2nd
2013.06.02安田記念 (G1)東京 / 芝1600m岩田康誠1st
2013.03.24高松宮記念 (G1)中京 / 芝1200m岩田康誠1st
2013.02.24阪急杯 (G3)阪神 / 芝1400m岩田康誠1st
2012.12.09香港スプリント (G1)沙田 / 芝1200m岩田康誠1st
2012.09.30スプリンターズS (G1)中山 / 芝1200m岩田康誠1st
2012.09.09セントウルS (G2)阪神 / 芝1200m岩田康誠2nd
2012.06.17函館スプリントS (G3)函館 / 芝1200m福永祐一2nd
2012.03.25高松宮記念 (G1)中京 / 芝1200m福永祐一3rd
2012.01.28シルクロードS (G3)京都 / 芝1200m福永祐一1st
2011.11.26京阪杯 (G3)京都 / 芝1200m福永祐一1st
2011.11.06京洛S (OP)京都 / 芝1200m福永祐一1st
2011.05.14葵S (OP)京都 / 芝1200m北村友一1st
2011.04.16ドラセナ賞 (500万下)小倉 / 芝1200m北村友一1st
2011.01.293歳500万下京都 / 芝1400m福永祐一2nd
2011.01.05ジュニアC (OP)中山 / 芝1600m蛯名正義2nd
2010.12.052歳新馬小倉 / 芝1200m古川吉洋1st
CAREER HIGHLIGHTS

龍王、覚醒の刻

01
Sprinters Stakes 2012
8-16
2012.09.30 / 中山 1200m

THE BREAKTHROUGH

第46回 スプリンターズS

試行錯誤の末に辿り着いた岩田康誠とのコンビ。大外16番枠という不利を跳ね除け、直線で一気に加速。前を行く女王カレンチャンを力強くねじ伏せ、1分6秒7のレコードタイムで初戴冠。短距離界の勢力図が塗り替えられた歴史的一戦。

TIME
1:06.7
RECORD
COURSE
02
Hong Kong Sprint 2012
4
2012.12.09 / 沙田 1200m

GLOBAL CONQUEST

香港スプリント

「日本馬には不可能」と言われ続けた香港短距離の壁。しかし彼はその常識を嘲笑うかのように、4コーナーで堂々と進出。直線、世界の強豪を突き放す独走劇を見せ、日本馬初の快挙を達成。まさに「龍王」の名が世界に響き渡った瞬間。

1着 ロードカナロア2着 セリビオス
03
Yasuda Kinen 2013
5-10
2013.06.02 / 東京 1600m

VERSATILE KING

第63回 安田記念

スプリンターには長いと言われた府中のマイル。しかし彼は中団から正攻法の競馬で馬場の真ん中を切り裂いた。ショウナンマイティの追撃を封じ込め、1200mと1600mの2階級制覇を達成。もはや距離の壁すら彼を止める術にはならなかった。

TIME
1:31.5
CLASS
MILE G1
04
Hong Kong Sprint 2013
1
2013.12.08 / 沙田 1200m

THE LEGENDARY

香港スプリント

「負ければ引退」ではない。「勝って伝説になる」ためのラストラン。直線、他馬が止まって見えるほどの加速で5馬身差の圧勝。同レース史上最大着差。世界中が畏敬の念を抱いた、完璧すぎるフィナーレ。王は王のまま、ターフを去った。

1着 ロードカナロア2着 ソールパワー
DATA ANALYTICS

世界を平伏させた
128ポンドの衝撃

2013年、ワールドベストレースホースランキング。彼は短距離部門で世界2位、芝スプリント区分では当時「世界最強」と謳われたブラックキャビアに肉薄する128ポンドを叩き出した。これは日本馬の短距離馬としては史上最高値であり、今なお破られていない「不滅の領域」である。

128lbs

WORLD RATING

芝短距離部門

※2013年 WBRR

SPRINT DOMINANCE

史上最強の証明
TYPICAL G1 WINNER115-118
AVERAGE
LORD KANALOA (2013)128
KING'S ZONE
BLACK CAVIAR (REF)130
WORLD PEAK
史上最高評価への肉薄
LORD KANALOA
57キロでこの伸びは本物。
底が見えない。末恐ろしい馬。
調教師 安田隆行
シルクロードS優勝時
この馬の心臓の音は、
スプリンターの音じゃない。
専属獣医師
心肺機能の評価より
FAN VOICES

語り継がれる咆哮

S

最後の香港スプリント、あの5馬身差は「次元が違う」の一言。日本馬が香港の短距離で現地馬を圧倒する日が来るなんて、夢を見ているようでした。

B

サクラバクシンオーが最強だと信じて疑わなかったが、ロードカナロアを見て考えが変わった。マイルまで制するその万能性はもはや怪物。

A

種牡馬としてもアーモンドアイを出して、年度代表馬の父に。現役時代だけでなく、その血の力でも世界を席巻する姿はまさに「龍王」。

BEHIND THE SCENES

龍王の素顔

絶対王者の誇りと、愛くるしい一面

01

孤高の「王様」パネル

種牡馬入りした社台スタリオンステーションで、彼は「王」としての自覚に目覚めた。他馬の出入りに過敏に反応し、威厳を保とうとするあまり、馬房の通路側に目隠しパネルが設置されることに。静寂を取り戻した馬房で、彼は独り王座を楽しんだ。

02

女王カレンチャンへの想い

同じ厩舎の先輩女王、カレンチャン。カナロアは彼女に特別な感情を抱いていたという。レースでは冷徹に彼女を差し切るが、厩舎ではその存在を常に意識していた。引退後、二人の間に生まれたカレンモエがターフを沸かせたのは、ファンにとって最高のプレゼントだった。

Curren Chan
THE ETERNAL QUEEN
GENERATION SHIFT

CURREN CHAN

カレンチャン

同厩舎、同じ安田隆行調教師に導かれた一歳上の女王。2012年高松宮記念ではカナロアを3着に退け、先輩としての意地を見せた。

しかし、その敗北こそがカナロアに火をつけた。秋のスプリンターズSで女王を鮮やかに捉え、世代交代を完遂。切磋琢磨し、世界へと羽ばたいた二頭の関係は、単なるライバルを超えた「戦友」であった。

2012SPRINTERS S
1stロードカナロア
vs
2ndカレンチャン

世界を平伏させた龍王

世界を平伏させた龍王

かつて、日本の短距離馬が世界で勝つことは「不可能」だと信じられていた。パワーとスピードが支配する香港の芝1200m。そこは日本馬にとって難攻不落の要塞だった。しかし、2012年12月、一頭の馬がその歴史に終止符を打つ。ロードカナロア。ハワイの海の神の名を冠し、香港で「龍王」と呼ばれた彼は、その咆哮一つで世界の勢力図を塗り替えた。

挫折から生まれたスプリントの王道

彼のキャリアは決して順風満帆な滑り出しではなかった。デビュー直後のマイル戦での敗北。そこで陣営は「1200mへの専念」という英断を下す。安田隆行調教師は、彼の内に秘めた異次元のスピードを見抜いていた。その確信は現実となり、1200m戦に転じてからの彼は、まるで解き放たれた獣のように勝利を重ねていく。岩田康誠という最高のパートナーを得て、彼は「速い馬」から「負けない馬」へと進化した。

香港の地に刻んだ不滅の記憶

ロードカナロアの真の伝説は、香港の沙田競馬場で完結した。2012年、日本馬として初めて香港スプリントを制覇。しかし、真の衝撃はその翌年だった。引退レースとして迎えた2013年香港スプリント。世界の強豪が横一線に並ぶ直線、彼だけが別の次元の加速を見せた。2馬身、3馬身、そして5馬身。ゴール板を駆け抜けた時、背後の馬たちはもはや視界にすら入っていなかった。19戦13勝、生涯3着以内100%。その数字以上に、この5馬身差の圧勝劇は「世界最強」の称号を不動のものとした。

龍王の血は、未来へ

彼はターフを去り、種牡馬となってもその王座を譲ることはなかった。初年度産駒から史上最強牝馬アーモンドアイを送り出し、父としても年度代表馬の座に就いた。彼が証明したのは、日本のスピードが世界に通用するということ。そして、そのスピードは次世代へ受け継がれ、今もなお世界のどこかで新たな伝説を生み出し続けている。

「彼はスプリントという枠を超えた、真のパーフェクトホースだった」
――競馬史が刻んだ賛辞

龍王の物語は終わらない。彼がターフに残したあの閃光のような末脚は、これからもファンの記憶の中で、そしてその血を受け継ぐ仔たちの走りのなかで、永遠に輝き続けるのだ。