Hokko Tarumae

The King of DirtHokko Tarumae

「10」の勲章は、
不屈の魂で掴み取った。

PROFILE

生誕2009.05.26
調教師西浦勝一 (栗東)
主戦騎手幸英明
通算成績39戦17勝 [17-5-7-10]
主な勝鞍川崎記念 (Jpn1) 3連覇
東京大賞典 (G1) 2連覇
チャンピオンズカップ (G1)
帝王賞 (Jpn1) 2勝、JBCクラシック (Jpn1)

PEDIGREE

FATHER
キングカメハメハ
(日本) 2001
Kingmambo
マンファス
×
MOTHER
マダムチェロキー
(日本) 2001
Cherokee Run
Unfanned Flame

父は日本が誇る大種牡馬、母の父は米国のスプリント王。パワフルな米国血統の相似クロスが、ダートの深い砂を力強く蹴り上げる無尽蔵のスタミナと、厳しい展開をねじ伏せる底力を彼に授けた。

CAREER RECORD

全レース成績

TOTAL: 39 RUNS17 - 5 - 7 - 10
DATERACE NAMECOURSE / DIST.JOCKEYRESULT
2016.11.03JBCクラシック (Jpn1)川崎 / ダ2100m幸英明2nd
2016.10.10マイルCS南部杯 (Jpn1)盛岡 / ダ1600m幸英明3rd
2016.06.29帝王賞 (Jpn1)大井 / ダ2000m幸英明4th
2016.03.26ドバイワールドC (G1)メイダン / ダ2000m幸英明9th
2016.01.27川崎記念 (Jpn1)川崎 / ダ2100m幸英明1st
2015.12.29東京大賞典 (G1)大井 / ダ2000m幸英明2nd
2015.12.06チャンピオンズC (G1)中京 / ダ1800m幸英明5th
2015.11.03JBCクラシック (Jpn1)大井 / ダ2000m幸英明3rd
2015.06.24帝王賞 (Jpn1)大井 / ダ2000m幸英明1st
2015.03.28ドバイワールドC (G1)メイダン / ダ2000m幸英明5th
2015.01.28川崎記念 (Jpn1)川崎 / ダ2100m幸英明1st
2014.12.29東京大賞典 (G1)大井 / ダ2000m幸英明1st
2014.12.07チャンピオンズC (G1)中京 / ダ1800m幸英明1st
2014.11.03JBCクラシック (Jpn1)盛岡 / ダ2000m幸英明4th
2014.03.29ドバイワールドC (G1)メイダン / T2000m幸英明16th
2014.02.23フェブラリーS (G1)東京 / ダ1600m幸英明2nd
2014.01.29川崎記念 (Jpn1)川崎 / ダ2100m幸英明1st
2013.12.29東京大賞典 (G1)大井 / ダ2000m幸英明1st
2013.12.01ジャパンカップダート (G1)阪神 / ダ1800m幸英明3rd
2013.11.04JBCクラシック (Jpn1)金沢 / ダ2100m幸英明1st
2013.10.14南部杯 (Jpn1)盛岡 / ダ1600m幸英明2nd
2013.06.26帝王賞 (Jpn1)大井 / ダ2000m幸英明1st
2013.05.06かしわ記念 (Jpn1)船橋 / ダ1600m幸英明1st
2013.04.13アンタレスS (G3)阪神 / ダ1800m岩田康誠1st
2013.03.20名古屋大賞典 (Jpn3)名古屋 / ダ1900m幸英明1st
2013.02.11佐賀記念 (Jpn3)佐賀 / ダ2000m幸英明1st
2013.01.20東海S (G2)中京 / ダ1800m幸英明3rd
2012.01.143歳新馬京都 / ダ1400m長谷川浩大11th
CAREER HIGHLIGHTS

砂の王座への登攀

01
Kashiwa Kinen
6-11
2013.05.06 / 船橋 1600m

FIRST GLORY

第25回 かしわ記念

重賞3連勝で挑んだ初のJpn1舞台。立ちはだかったのはダート界の猛者エスポワールシチー。直線、力強く抜け出すと、王者の追撃を1馬身半振り切った。タルマエ時代の幕開けを告げる、鮮烈な戴冠劇だった。

TIME
1:37.8
STATUS
NEW KING
02
Champions Cup
8
2014.12.07 / 中京 1800m

JRA CONQUEST

第15回 チャンピオンズカップ

ドバイ遠征での大敗、休養を経て迎えた中央G1の舞台。中団から早めに動く積極策で直線先頭に立つと、後続の追撃を封じ込め、念願のJRA・G1タイトルを手中に収めた。完全復活の雄叫びが中京に響いた。

1着 ホッコータルマエ2着 ナムラビクター
03
Dubai World Cup
2
2015.03.28 / メイダン 2000m

WORLD CHALLENGE

ドバイワールドカップ

3年連続で挑んだ世界の頂。2015年は、直線入り口で一時先頭に並びかける見せ場を作った。結果は5着。届かなかった勝利の先に、日本のダートホースが世界と互角に渡り合えることを証明した魂の激走。

RANK
5th
FIELD
GLOBAL
04
Kawasaki Kinen
8
2016.01.27 / 川崎 2100m

THE LEGEND

第65回 川崎記念

「10」の大台へ。川崎記念3連覇という30年ぶりの快挙を達成すると同時に、日本競馬史上初となるG1・Jpn1通算10勝の金字塔を打ち立てた。泥にまみれ、砂を蹴り、走り続けた鉄人の真骨頂がここにある。

1着 ホッコータルマエ2着 サウンドトゥルー
DATA ANALYTICS

前人未到の
G1・10勝

2016年、川崎記念。ホッコータルマエは歴史の扉をこじ開けた。それまで誰も到達できなかったG1・Jpn1通算10勝という二桁の大台。39戦という長きにわたるキャリアの中で、彼は常に砂の最前線に立ち続け、地方・中央の垣根を超えて勝利を積み重ねた。この不屈の精神こそが、彼を「鉄人」たらしめる所以である。

10 WINS

HISTORIC RECORD

G1/Jpn1 勝利数

※日本競馬史上初の快挙

VICTORY MILESTONE

史上初の二桁勝利
CONVENTIONAL RECORD9 WINS
PAST LEGENDS
HOKKO TARUMAE10 WINS
NEW FRONTIER
CAREER LONGEVITY39 RUNS
IRON HORSE
安定した長期間の活躍
TARUMAE
タルマエをエスコートして勝つ。それに意味がある。
日本のジョッキーも世界に認めてもらいたい。
調教師 西浦勝一
ドバイ遠征時のインタビューより
これだけ長い間、トップレベルで
走り続けてくれた。感謝しかありません。
主戦騎手 幸英明
引退に際して
FAN VOICES

ファンからの声

T

苫小牧観光大使としての活動も含め、地元北海道の誇りでした。川崎記念での10勝達成の瞬間、モニター越しに涙が出ました。本当に強くて、愛らしい馬です。

D

中央と地方を問わず、どこでも自分の力を出し切る姿に元気をもらいました。ドバイに3年連続で挑んだ不屈の精神こそ、タルマエの真の強さだと思います。

U

ウマ娘でタルマエを知り、現役時代のレースを遡って見ました。どんなに泥を被っても一歩一歩進む姿。今では実馬の大ファンです。種牡馬としても応援しています!

BEHIND THE SCENES

秘蔵エピソード

王者の背中に隠された、素顔と故郷への絆

01

「苫小牧観光大使」としての素顔

ホッコータルマエは、その名の由来となった「樽前山」がある北海道苫小牧市の観光大使に任命されている。競走馬として史上初の試みであり、市役所には彼の活躍を祝う横断幕が掲げられた。ファンイベントでは、地元の方々に「タルマエ君」と親しげに呼ばれ、地域活性化のシンボルとして今もなお愛され続けている。

02

ドバイの空に見た、世界の壁

3年連続で挑んだドバイワールドカップ。初遠征時には極度の緊張からストレス性腸炎を発症し、帰国が遅れるほどの体調不良に見舞われた。それでも陣営は諦めず、翌年も、その翌年も世界へ挑戦した。環境の変化に敏感な繊細さを持ちながら、一度ゲートに入れば死力を尽くす。そのギャップが、多くの関係者の心を揺さぶった。

Copano Rickey
THE ARCHRIVAL
DESTINY

COPANO RICKEY

コパノリッキー

ダート戦線の覇権を争い、10度に及ぶ直接対決を繰り広げた宿命のライバル。対戦成績は5勝5敗の五分。先行して粘り切るリッキーと、力強くねじ伏せるタルマエ。

2014年のフェブラリーステークス。最低人気のリッキーが起こした奇跡の裏で、クビ差届かなかったタルマエの姿があった。リッキーが最終的に11勝で記録を塗り替えるまで、二頭の王者は互いを高め合い、日本ダート競馬の黄金時代を築き上げた。

2014FEBRUARY STAKES
2ndホッコータルマエ
vs
1stコパノリッキー

砂に捧げた不屈の魂

砂に捧げた不屈の魂

デビュー戦、11着。その背中に王者の面影を感じた者は少なかったかもしれない。しかし、ホッコータルマエという物語は、泥を被るたびに、敗北を喫するたびに、その輝きを増していった。彼は「天才」という言葉で片付けられるような馬ではなかった。一歩一歩、砂を噛み締めながら己の限界を押し広げていった「努力の怪物」だった。

不屈の象徴、10勝への険しき道

彼が積み上げたG1・Jpn1の10個の勲章は、日本競馬の歴史における重い足跡だ。エスポワールシチー、ヴァーミリアンといった偉大な先達が築いた「9勝」の壁。それを超えるための戦いは、決して平坦ではなかった。ドバイでの大敗、海外遠征後の体調不良。絶望の淵に立たされるたび、彼は信じられないような回復力でターフに戻ってきた。西浦調教師の執念と、幸騎手の確かな手綱。チーム・タルマエの絆が、不可能を可能に変えていった。

「鉄人」が見せた、世界の背中

ホッコータルマエの偉大さは、国内の成績だけに留まらない。3年連続となるドバイへの挑戦。それは、日本のダート馬が世界とどう向き合うべきか、その道標を示す戦いでもあった。2015年、直線で一時先頭を捉えようかというシーン。結果は5着。しかし、メイダンの砂塵の中で見せたあの走りは、日本のファンに「いつか、世界の頂点へ」という夢を見せるに十分なものだった。彼は負けてなお、砂の王者の誇りを失わなかった。

故郷の山のように、揺るぎなく

現役最後の日、彼は静かに戦線を去った。左前肢の跛行。それは、39戦という激闘を戦い抜いた体が、最後に上げた叫びだったのかもしれない。通算獲得賞金10億円超。その数字以上に、彼が残したものは大きい。苫小牧の街に、故郷の山に、そしてファンの心に刻まれた「タルマエ」という名前。彼は今、種牡馬として新たな夢を繋いでいる。その産駒たちが砂を蹴る音を聞くたび、私たちは思い出すだろう。どんなに深い砂であっても、決して止まらずに進み続けた、あの孤高の王者の姿を。

「彼は本当のプロフェッショナルだった。どんな時も自分の仕事を全うし、最後には必ず勝ちにいく。そんな馬に出会えたことは、私の誇りです」
――幸英明

歴史は塗り替えられるものだ。しかし、最初に10勝という頂きに到達した者の名は、決して色褪せることはない。ホッコータルマエ。その不屈の魂は、これからも日本のダート界を照らし続ける灯火となるだろう。