Gran Alegria

The Speed QueenGran Alegria

「速さ」の概念を、
彼女が塗り替えた。

PROFILE

生誕2016.01.24
調教師藤沢和雄 (美浦)
主戦騎手C.ルメール
通算成績15戦9勝 [9-2-2-2]
主な勝鞍マイルCS (G1) 2連覇
安田記念 (G1)、桜花賞 (G1)
スプリンターズS (G1)
ヴィクトリアマイル (G1)

PEDIGREE

FATHER
ディープインパクト
(日本) 2002
サンデーサイレンス
ウインドインハーヘア
×
MOTHER
タピッツフライ
(米国) 2007
Tapit
Flying Marlin

父は日本近代競馬の最高傑作、母は米国のG1を制したスピードスター。偉大な父から受け継いだ瞬発力と、母系の卓越したスピード能力が融合し、マイルという舞台で他を寄せ付けない「絶対女王」が誕生した。

CAREER RECORD

全レース成績

TOTAL: 15 RUNS9 - 2 - 2 - 2
DATERACE NAMECOURSE / DIST.JOCKEYRESULT
2021.11.21マイルCS (G1)阪神 / 芝1600mC.ルメール1st
2021.10.31天皇賞・秋 (G1)東京 / 芝2000mC.ルメール3rd
2021.06.06安田記念 (G1)東京 / 芝1600mC.ルメール2nd
2021.05.16ヴィクトリアマイル (G1)東京 / 芝1600mC.ルメール1st
2021.04.04大阪杯 (G1)阪神 / 芝2000mC.ルメール4th
2020.11.22マイルCS (G1)阪神 / 芝1600mC.ルメール1st
2020.10.04スプリンターズS (G1)中山 / 芝1200mC.ルメール1st
2020.06.07安田記念 (G1)東京 / 芝1600m池添謙一1st
2020.03.29高松宮記念 (G1)中京 / 芝1200m池添謙一2nd
2019.12.21阪神カップ (G2)阪神 / 芝1400mC.ルメール1st
2019.05.05NHKマイルC (G1)東京 / 芝1600mC.ルメール5th
2019.04.07桜花賞 (G1)阪神 / 芝1600mC.ルメール1st
2018.12.16朝日杯FS (G1)阪神 / 芝1600mC.ルメール3rd
2018.10.06サウジアラビアRC (G3)東京 / 芝1600mC.ルメール1st
2018.06.032歳新馬東京 / 芝1600mC.ルメール1st
CAREER HIGHLIGHTS

女王の証明

01
Yasuda Kinen
4-5
2020.06.07 / 東京 1600m

THE REVOLUTION

第70回 安田記念

最強女王アーモンドアイとの初対決。多くのファンが伝説の女王の勝利を疑わなかったが、彼女だけは違った。中団から堂々と抜け出し、2馬身半差をつける完勝。新時代の到来を高らかに告げた衝撃の一戦。

TIME
1:31.6
LAST 3F
32.8
02
Sprinters Stakes
2-4
2020.10.04 / 中山 1200m

UNREAL SPEED

スプリンターズS

後方15番手からの競馬。短距離戦では絶望的とも思える位置から、直線だけで全馬を飲み込んだ。「信じられない」とルメール騎手が驚愕した、異次元の末脚。ディープ産駒初のスプリントG1制覇を成し遂げた。

1着 グランアレグリア2着 ダノンスマッシュ
03
Mile Championship
1-2
2021.11.21 / 阪神 1600m

THE FINALE

第38回 マイルCS

引退レース。単勝1.6倍の圧倒的支持。新星シュネルマイスターの猛追を封じ込め、見事に連覇を達成。マイルG1通算6勝、獲得賞金10億円超。絶対女王のままターフを去る、完璧なラストランだった。

TIME
1:32.6
RANKING
No.1
DATA ANALYTICS

異次元の
瞬発力

2021年のヴィクトリアマイル。彼女は馬なりのまま直線を迎えると、 他馬が止まって見えるほどの加速を見せた。 記録された上がり3ハロンは32秒6。 スプリント戦のような時計をマイル戦のラストで叩き出す、 常識外れのスピード能力。これが「絶対女王」の最大の武器だった。

32.6

SUPER BURST

上がり3F タイム

※2021 ヴィクトリアマイル

EXPLOSIVE SPEED

他を置き去りにする末脚
AVERAGE G1 WINNER 33.5s
STANDARD
GRAN ALEGRIA 32.6s
UNTOUCHABLE
SPEED DIFFERENCE -0.9s
OVERWHELMING
推定スピード差
SPEED
I can't believe how strong she is!
こんなに強い馬だとは信じられない。
主戦騎手 C.ルメール
スプリンターズS勝利後
彼女はまだ、距離が延びることに
気づいていないと思うので。
調教師 藤沢和雄
大阪杯挑戦前のコメント
FAN VOICES

ファンからの声

Y

スプリンターズS、あの位置から届くなんて物理的におかしいと思いました。 まるでジェット機が飛んできたような加速。歴史に残るごぼう抜きに震えました。

K

あのアーモンドアイをスピードだけでねじ伏せた安田記念。 「現役最強は私だ」と言わんばかりの走り。マイルなら間違いなく世界一だと確信しました。

S

引退レースを生で見届けました。最後まで衰えを知らない強さ。 グランアレグリアという名前の通り、私たちに大きな歓びをくれた名馬でした。

BEHIND THE SCENES

秘蔵エピソード

絶対女王の意外な素顔と、陣営との深い絆

01

国会中継がお好き?

藤沢厩舎では馬を音に慣れさせるためにラジオを流しているが、 グランアレグリアはお気に入りの番組が決まっていたという。 それはなんと「国会中継」。 野球中継などの騒がしい音は苦手で離れてしまうが、 淡々とした話し声が流れる国会中継には耳を傾けていたという、知的な一面があった。

02

名伯楽の「作戦」

初の2000m戦となる大阪杯への挑戦前、藤沢調教師は 「まだ距離が延びることに気づいていないので頑張ってくれると思う」とコメント。 これはマイル仕様の体を持つ彼女に、過度な意識をさせずに中距離を走らせるための、 名伯楽なりの愛情深い「嘘」と戦略だった。 引退時、師は「天皇賞使ってごめんなさい」と彼女に詫び、その挑戦を労った。

Almond Eye
THE LEGEND
THE STRONGEST

ALMOND EYE

アーモンドアイ

G1・9勝という不滅の記録を持つ、日本競馬史上最強の牝馬。 グランアレグリアが「絶対女王」となるために、どうしても超えなければならない壁だった。

2020年、安田記念。 単勝1.3倍の支持を受けた伝説の女王に対し、グランアレグリアは真っ向勝負を挑む。 結果は2馬身半差の完勝。 スピード能力においてのみ、彼女は伝説をも凌駕することを証明した。

二頭の女王が並び立った時代。それは日本のマイル戦線における、最も贅沢な瞬間だった。

2020 安田記念
1st グランアレグリア
vs
2nd アーモンドアイ

喝采は鳴り止まない

喝采は鳴り止まない

Gran Alegria。スペイン語で「大いなる歓び」「大歓声」を意味するその名は、 彼女の運命を予言していたかのようだった。 ターフに現れるだけで、観衆は息を呑み、そして最後には熱狂の渦に包まれる。 彼女が駆け抜けたマイルの舞台は、常に喝采と共にあった。

宿命を背負った天才少女

父は英雄ディープインパクト、母は米国のG1馬タピッツフライ。 約束された超良血として生まれた彼女だが、その馬生は決して平坦ではなかった。 デビュー前に母を亡くし、期待された弟もデビュー直後にこの世を去った。 残された彼女は、一族の希望を一身に背負い、走るしかなかった。 桜花賞を驚異的なレコードで制した時、人々は彼女の中に眠る「怪物」の片鱗を見た。 しかし、それはまだ序章に過ぎなかった。

スピードの概念を変えた衝撃

彼女のキャリアにおけるハイライトは、2020年のスプリンターズステークスだろう。 後方15番手。中山の短い直線では絶望的とも言える位置取り。 だが、そこからの彼女の走りは、物理法則を無視しているかのようだった。 一頭だけ倍速で再生されているかのような末脚で、先行するライバルたちを瞬く間に飲み込んだ。 ルメール騎手が「信じられない」と語ったその走りは、 ディープインパクト産駒がスプリント戦でも頂点に立てることを証明した歴史的瞬間でもあった。

名伯楽との最後の夢

管理する藤沢和雄調教師にとって、彼女は引退間近に出会った最後の傑作だった。 マイルでは無敵。だからこそ、師は彼女に「3階級制覇」という夢を託し、 適性外とも思える2000mの戦い(大阪杯、天皇賞秋)へと送り出した。 結果は敗れたものの、最後まで懸命に食らいつく姿は、彼女の類稀な根性を示していた。 「天皇賞を使ってごめんなさい」 引退式での師の言葉は、愛馬への深い愛情と、無理をさせたことへの悔恨が入り混じっていた。 しかし、その挑戦があったからこそ、彼女の「絶対的なスピード」の価値はより際立ったと言えるだろう。

「彼女はすべてを持っていた。特にそのスピードは、私の騎手人生でも特別なもの」
――C.ルメール

引退レースとなったマイルチャンピオンシップ。 連覇を達成し、G1・6勝目を挙げた彼女は、最後まで「絶対女王」のままターフを去った。 速い馬は脆い、という定説を覆し、強く、速く、そしてタフに走り続けたグランアレグリア。 その背中に浴びせられた大歓声は、これからもファンの記憶の中で響き続けるだろう。