Geoglyph

The Ground ArtistGeoglyph

「砂」の血脈を「芝」で開花させた、
唯一無二の多才なる天才。

PROFILE

生誕2019.02.25
調教師木村哲也 (美浦)
主戦騎手福永祐一 / C.ルメール
通算成績21戦3勝 [3-2-2-14]
主な勝鞍皐月賞 (G1)
札幌2歳ステークス (G3)
札幌記念 (G2) 2着
共同通信杯 (G3) 2着

PEDIGREE

FATHER
ドレフォン
(USA) 2013
Gio Ponti
Eltimaas
×
MOTHER
アロマティコ
(日本) 2009
キングカメハメハ
ナスカ

父は米国ダートスプリント王、母は芝の重賞常連。パワーとスピードが高次元で融合した血統は、ノド鳴りの不安さえも跳ね除ける爆発的な末脚を彼に授けた。

CAREER RECORD

全レース成績

TOTAL: 21 RUNS3 - 2 - 2 - 14
DATERACE NAMECOURSE / DIST.JOCKEYRESULT
2025.04.12クイーンエリザベスS (G1)豪・ランドウィック / 芝2000mD.レーン13th
2025.04.05ドンカスターマイル (G1)豪・ランドウィック / 芝1600mD.レーン18th
2025.02.09東京新聞杯 (G3)東京 / 芝1600m横山武史11th
2024.11.02BCマイル (G1)米・デルマー / 芝1600m横山武史5th
2024.08.18札幌記念 (G2)札幌 / 芝2000m横山武史2nd
2024.06.02安田記念 (G1)東京 / 芝1600m北村宏司6th
2024.03.31大阪杯 (G1)阪神 / 芝2000m北村宏司5th
2024.02.25中山記念 (G2)中山 / 芝1800m戸崎圭太3rd
2023.12.03チャンピオンズC (G1)中京 / ダ1800mW.ビュイック15th
2023.10.09南部杯 (Jpn1)盛岡 / ダ1600m岩田望来9th
2023.06.25宝塚記念 (G1)阪神 / 芝2200m岩田望来9th
2023.03.25ドバイワールドC (G1)メイダン / ダ2000mC.ルメール11th
2023.02.25サウジカップ (G1)KSA・キングアブドゥルアズィーズ / ダ1800mC.ルメール4th
2022.12.11香港カップ (G1)香港・シャティン / 芝2000mW.ビュイック6th
2022.10.30天皇賞・秋 (G1)東京 / 芝2000m福永祐一9th
2022.05.29日本ダービー (G1)東京 / 芝2400m福永祐一7th
2022.04.17皐月賞 (G1)中山 / 芝2000m福永祐一1st
2022.02.13共同通信杯 (G3)東京 / 芝1800mC.ルメール2nd
2021.12.19朝日杯FS (G1)阪神 / 芝1600mC.ルメール5th
2021.09.04札幌2歳S (G3)札幌 / 芝1800mC.ルメール1st
2021.06.262歳新馬東京 / 芝1800mC.ルメール1st
CAREER HIGHLIGHTS

不屈の地上絵

01
Satsuki Sho
7-14
2022.04.17 / 中山 2000m

THE CONQUEROR

第82回 皐月賞

後の世界王者イクイノックスを真っ向からねじ伏せた生涯のベストレース。福永祐一騎手の完璧なエスコート、そして直線の力強い伸び。ドレフォン産駒に初のG1をもたらし、中山の坂を「地上絵」が支配した瞬間だった。

TIME
1:59.7
FAVORITE
5th
02
Sapporo Nisai Stakes
8-9
2021.09.04 / 札幌 1800m

POWDER STORM

第56回 札幌2歳ステークス

洋芝の重い馬場を物ともせず、大外からまくり上げる衝撃のパフォーマンス。2着に4馬身差をつける圧勝劇は、単なる「砂血統の芝替わり」という評価を完全に葬り去り、世代の主役へと躍り出る号砲となった。

1着 ジオグリフ2着 アスクワイルドモア
03
Saudi Cup
12
2023.02.25 / KSA・ダート 1800m

DESERT CHALLENGE

サウジカップ

初めての砂、初めての海外。父譲りのダート適性を試すべく挑んだ世界最高賞金レース。 強豪相手に一歩も引かず、パンサラッサを追って直線まで粘り込み、4着と健闘。 芝のG1馬が世界のダートでも通用することを証明し、その多才さを世界に見せつけた。

RESULT
4th
PRIZE
$1.5M
04
Sapporo Kinen
2
2024.08.18 / 札幌 2000m

RESURRECTION SOUL

第60回 札幌記念

苦闘の季節を越え、思い出の北の大地で王者の鼓動が再燃した。 横山武史騎手を背に、中団から力強く脚を伸ばして2着。 皐月賞以来、実に2年4ヶ月ぶりの連対。 「ジオグリフは終わっていない」——ファンの確信が歓声へと変わった夏の午後。

1着 ノースブリッジ 2着 ジオグリフ
DATA ANALYTICS

適性の
「真実」

彼の戦績を紐解くと、明確な適性バイアスが浮かび上がる。 「右回り・芝1800-2000m・急坂/洋芝」という条件下でのパフォーマンスは、世代屈指のもの。 左回りの東京コースでの苦戦に対し、中山や札幌で見せる勝負強さこそ、彼が「中山の鬼」と呼ばれた所以である。

G1 WINNER

SATSUKI SHO

右回り芝適性

※中山2000mでの完成度

PERFORMANCE RATIO

コース別戦績分析
RIGHT-HANDED (中山/札幌)WINNER
BEST PERFORMANCE
LEFT-HANDED (東京/海外)STRUGGLE
AVERAGE
DIRT CONVERSION4th Place
HIGH POTENTIAL
芝2000m(右) 走破能力
GEOGLYPH
自分が上手く誘導できれば勝てると思っていた。
それに応えてくれた馬が素晴らしかった。
騎手 福永祐一
皐月賞勝利後インタビュー
これほど多才で、どんな条件にも
立ち向かえる馬はそういない。
調教師 木村哲也
管理馬への信頼
FAN VOICES

語り継がれる記憶

G

イクイノックスを差し切ったあの瞬間の興奮は忘れられません。誰もが驚いたけれど、あの加速は本物の主役の走りでした。

S

札幌記念での復活劇。掲示板に戻ってきた時、本当に嬉しかった。彼はどんなに負けても、また必ず戻ってきてくれる強さがあった。

Y

福永祐一騎手の最後をG1勝利で飾ったのが、この馬だったという運命。記録以上に、競馬史の重要な結節点にいた一頭です。

BEHIND THE SCENES

不屈の証言

01

持病を跳ね返す精神

デビュー前から喘鳴症(ノド鳴り)を抱え、陣営は常にその状態を危惧していた。しかし、ひとたびゲートが開けば、彼はその苦しさを微塵も見せずに走り抜いた。木村調教師が「この馬の能力は不思議だ」と語るほど、精神力が肉体のハンデを超越していた。

02

福永祐一、最後の輝き

皐月賞での勝利は、名手・福永祐一にとって国内最後のG1タイトルとなった。わずか数日のコンビ結成ながら、福永はジオグリフのポテンシャルを完全に見抜き、完璧なエスコートを披露。引退を控えた天才騎手が最後に託した夢が、この馬には宿っていた。

Equinox
THE DESTINED RIVAL
THE SYNC

EQUINOX

イクイノックス

同じ厩舎、同じ世代。常に最強の背中を追う運命にあった。 皐月賞で唯一彼をねじ伏せたのは、他ならぬジオグリフだった。 その後のイクイノックスは「世界の王者」へと飛翔したが、ジオグリフはその影で泥にまみれ、砂に挑み、自らの適性を探し求めた。 交差したのはあの一瞬。しかし、あの日の中山でジオグリフが示した力は、間違いなく世界を制した天才を上回っていた。

2022皐月賞
1stジオグリフ
vs
2ndイクイノックス

大地に描いた、不屈の記憶

大地に描いた、不屈の記憶

「ジオグリフ」——地上に描かれた巨大な絵画。 その名の通り、彼は芝、砂、そして異国の地という巨大なキャンバスに、自らの爪痕を深く、力強く刻み込んできた。 ドレフォンという、ダートの短距離で鳴らした父の血を受け継ぎながら、彼が最初に輝いたのは中山の緑のターフだった。 ノド鳴りという競走馬にとって致命的とも言える持病を抱えながら、それでも彼は喘ぐ呼吸を勝利への執念に変えてみせた。

皐月賞、ただ一度の栄光

2022年4月。18頭の精鋭が集った皐月賞。 人気は後に世界を席巻する同期の天才、イクイノックスに集まっていた。 しかし、中山の急坂で一際輝いたのは、福永祐一に導かれた栗毛の馬体だった。 イクイノックスを真っ向から競り落とし、一馬身の差をつけてゴール板を駆け抜けたあの瞬間。 それは、血統の常識を打ち破り、自らの価値を証明した「天才」の証明であった。

砂塵の果てに、見えたもの

栄光の後の道のりは、決して平坦ではなかった。 怪我、適性への模索、そしてダートへの挑戦。サウジアラビアの乾いた砂の上で、彼は再びその適性の幅広さを見せ、世界中の関係者を驚かせた。 「どこでも走る、何にでも挑む」——それはジオグリフという馬が持つ、ある種の気高さでもあった。 幾度となく敗北を喫しても、彼は決して心折れることなく、ターフへと戻ってきた。 2024年、札幌で見せた2年ぶりの連対は、彼の長い旅路がまだ終わっていないことを、そしてその誇りが枯れていないことを何よりも雄弁に物語っていた。

次代へと繋ぐ、地上絵

通算21戦。その数字には、一つの勝利で満足することなく、あらゆる可能性に挑み続けた陣営の期待と、それに応え続けた馬の誠実さが詰まっている。 福永祐一に最後のG1タイトルを授け、木村厩舎に初のクラシック制覇をもたらした彼は、いま静かにその翼を休め、次代の「地上絵」を描く準備を始めている。 私たちがその名を思い出すとき、そこにはいつも中山の坂を駆け上がる勇姿と、砂塵を裂いて突き進む不屈の闘志が重なって見えるはずだ。

「この馬は、どんな時でも自分の力を出し切ろうとしてくれる。」
――木村哲也

かつて、中山に伝説を描いた一頭の馬がいた。その名はジオグリフ。 彼が刻んだ足跡は、決して消えることのない「歴史の地上絵」として、永遠にターフに残り続けるだろう。