エポカドーロ:黄金の血を継ぐ不屈の勇者
Epoca d'Oro

The GoldenEpoca d'Oro

「黄金」の血は、泥を跳ね飛ばし、
中山の坂を誰よりも速く駆け上がった。

PROFILE

生誕2015.02.15
調教師藤原英昭 (栗東)
主戦騎手戸崎圭太
通算成績10戦3勝 [3-2-1-4]
主な勝鞍皐月賞 (G1)
あすなろ賞 (500万下)
日本ダービー (G1) 2着
スプリングS (G2) 2着

PEDIGREE

FATHER
オルフェーヴル
(日本) 2008
ステイゴールド
オリエンタルアート
×
MOTHER
ダイワパッション
(日本) 2003
フォーティナイナー
サンシャワー

父は三冠馬オルフェーヴル、母は短距離重賞2勝の逃げ馬。父の底知れぬバネと、母から受け継いだ抜群のスタートセンスを武器に、日高の小さな牧場から世界を震撼させるクラシックホースが誕生した。

CAREER RECORD

全レース成績

TOTAL: 10 RUNS3 - 2 - 1 - 4
DATERACE NAMECOURSE / DIST.JOCKEYRESULT
2019.03.31大阪杯 (G1)阪神 / 芝2000m戸崎圭太10th
2019.02.24中山記念 (G2)中山 / 芝1800m戸崎圭太5th
2018.10.21菊花賞 (G1)京都 / 芝3000m戸崎圭太8th
2018.09.23神戸新聞杯 (G2)阪神 / 芝2400m戸崎圭太4th
2018.05.27日本ダービー (G1)東京 / 芝2400m戸崎圭太2nd
2018.04.15皐月賞 (G1)中山 / 芝2000m戸崎圭太1st
2018.03.18スプリングS (G2)中山 / 芝1800m戸崎圭太2nd
2018.02.10あすなろ賞 (500万)小倉 / 芝2000m戸崎圭太1st
2018.01.213歳未勝利京都 / 芝1600m福永祐一1st
2017.10.092歳新馬京都 / 芝1800m北村友一3rd
CAREER HIGHLIGHTS

黄金の蹄跡

01
Satsuki Sho
4-7
2018.04.15 / 中山 2000m

THE ASCENSION

第78回 皐月賞

荒れた馬場、3頭が競り合うハイペース。戸崎圭太は冷静に4番手を見極めた。直線、父を彷彿とさせる力強い伸び。並み居る強豪を突き放し、2馬身差の完勝。日高の小牧場から生まれた「黄金」が、世代の頂点に立った瞬間だった。

TIME
2:00.8
ODDS
14.5
02
Japan Derby
12
2018.05.27 / 東京 2400m

CRUEL 0.1s

第85回 日本ダービー

果敢にハナを奪い、自らペースを支配した。直線、逃げ粘る黄金の馬体。外から襲いかかるワグネリアンとの壮絶な叩き合い。届かなかったのは、わずか0.1秒、クビ差。後に判明した落鉄という不運。敗れてなお、その強さは日本中に知れ渡った。

1着 ワグネリアン2着 エポカドーロ
03
Asunaro Sho
1-1
2018.02.10 / 小倉 2000m

DESTINED MEETING

あすなろ賞

主戦・戸崎圭太との初コンビ。1番人気に応え、稍重の馬場をものともせず逃げ切った。2着に2秒以上の差をつける圧勝劇は、後のクラシック制覇を予感させるに十分な衝撃。ここから、人馬の黄金時代が始まった。

MARGIN
3.5馬身
JOCKEY
K.TOSAKI
DATA ANALYTICS

低評価を覆す
「黄金」の投資効率

セレクトセールでの落札価格は約3,600万円。億単位の良血馬がひしめく中で、エポカドーロは異色の存在だった。しかし、彼が稼ぎ出した賞金はその約7.5倍に達する。数字が示すのは、血統のロマンだけではない。小さな牧場と馬主が信じた「価値」が、大輪の花を咲かせた証明なのだ。

7.5x

INVESTMENT RETURN

獲得賞金 / 取引価格

※セレクトセール落札時比較

VALUE EFFICIENCY

期待値を超えた勇者
PURCHASE PRICE36.7M
INITIAL COST
PRIZE MONEY276.3M
TOTAL EARNINGS
ROI SCOREHIGH
TOP CLASS
投資回収期待値
EPOCA D'ORO
僕の方が、エポカドーロに
謝らなければいけない。
主戦騎手 戸崎圭太
ダービー後の回顧より
この子が勝ってくれて、
牧場の疲れも吹き飛びました。
生産者 田上徹
皐月賞制覇時の会見にて
FAN VOICES

ファンからの声

H

小さな田上牧場から皐月賞馬が出るなんて、これぞ競馬のロマン。オルフェーヴルの子供が最初にGIを勝ったのが、この子だったのも運命を感じます。

U

ダービーの悔しさは一生忘れません。でも、落鉄しながらクビ差まで粘ったあの走りは、私たち出資者の誇りです。最高の夢を見せてくれました。

E

今の「エポちゃん」は現役時代とは違う可愛さがあります。変顔で迎えてくれるサービス精神も最高。産駒からもまた黄金の馬が出てほしい!

BEHIND THE SCENES

黄金のエピソード

不屈の勇者が見せた、意外な素顔と舞台裏のドラマ

01

「エポちゃん」の愛嬌

現役時代の鋭い眼光とは裏腹に、引退後はその愛くるしい性格が話題に。見学者に対して、馬房から顔を出しユニークな「変顔」を見せるサービス精神を発揮。ファンからは親しみを込めて「エポちゃん」と呼ばれ、種牡馬展示でも一番の人気者として北の大地で愛されている。

02

ダービー当日の「機嫌」

一生に一度の日本ダービー当日。装鞍所で機嫌を損ね、パドックへの入場を拒むハプニングが発生。陣営は急遽、誘導馬のシュガーヒルを帯同させるという異例の「ウルトラC」を敢行。父オルフェ譲りの気難しさを見せながらも、ゲートが開けば誰よりも勇敢に逃げ粘る、その二面性が彼の魅力だった。

Wagnerian
THE DESTINED RIVAL
RIVALRY

WAGNERIAN

ワグネリアン

2018年、クラシック戦線を共に戦い抜いた宿命のライバル。皐月賞で敗れたワグネリアンが、ダービーでその雪辱を果たすべく背中を追ってきた。

直線の長い叩き合い。エポカドーロの粘りとワグネリアンの末脚が交錯したあの一瞬は、世代の覇権を争う最高のドラマだった。クビ差で敗れたものの、この二頭の激闘は「2015年世代」のレベルの高さを象徴している。

今は亡き友に捧げる、あの日の黄金色の夕暮れ。彼らが駆け抜けた時間は、永遠に色褪せることはない。

2018日本ダービー
2ndエポカドーロ
vs
1stワグネリアン

黄金の夢を繋ぐ者

黄金の夢を繋ぐ者

「黄金の時代」という意味の名を冠した一頭の馬がいた。その名はエポカドーロ。伝説の三冠馬オルフェーヴルの初年度産駒として生まれた彼は、父が歩んだ輝かしい、けれど荒々しい道をなぞるようにして、日本競馬の歴史にその名を刻み込んだ。

シンデレラ・ストーリーの幕開け

彼が生まれた田上牧場は、日高の地にある家族経営の小さな牧場だった。セレクトセールでの落札価格は決して高くはなく、期待は控えめだったかもしれない。しかし、そんな彼には、誰にも負けない「勝負根性」が備わっていた。デビューから半年足らず。稍重の中山競馬場。霧の中、黄金色の馬体が坂を駆け上がった時、日本中が目撃したのは、血統のロマンが現実を追い越した瞬間だった。皐月賞。父がかつて制した舞台で、彼は「オルフェーヴルの後継者」としての証明を完遂したのである。

府中に散った、0.1秒の悔恨

運命の日本ダービー。彼はパドックですら自分を貫き、わがままを通した。しかし、一度ゲートに入ればその瞳は闘志に燃えていた。自ら逃げを打ち、淀みないペースで17頭を先導する。直線、粘りに粘った。ゴール板の直前まで、栄冠は彼の頭上にあった。しかし、わずか0.1秒。クビ差。内側で落鉄していた蹄が、どれほどの痛みを発していたのかは彼にしかわからない。けれど、彼は決して走ることをやめなかった。その悔しさは、戸崎騎手の涙と共に、多くのファンの心に「敗れてなお強し」の記憶として刻まれた。

次代へと続く「黄金の時代」

4歳という若さでの引退。鼻出血という不運に見舞われ、彼の競走生活は突如として幕を閉じた。しかし、彼の物語には続きがある。種牡馬となった彼は、かつての父のように、その闘志を子供たちへと受け継ぎ始めている。園田や盛岡、そして全国のターフで、エポカドーロの血を引く若駒たちが砂を蹴り、風を切っている。数字では測りきれない勇気。小さな牧場の大きな誇り。エポカドーロが駆け抜けた「黄金の時代」は、まだ終わっていない。その夢は、今も北の大地で、そして次代を担う産駒たちの蹄音の中で、静かに、しかし熱く燃え続けている。

「彼は父に似て、負けず嫌いなところがありました。その根性が、あの皐月賞を勝たせたんです」
――藤原英昭

私たちは忘れない。2018年の春、泥だらけになりながら、誰よりも誇り高く中山の坂を駆け上がった、あの黄金の馬体を。エポカドーロ。その名は、これからも語り継がれるだろう。不屈の精神と、美しき敗者の物語として。