ドウデュース:武豊と共に歩んだ「逆襲」の天才
Do Deuce

The Comeback Do Deuce

「逆襲」こそが、
彼の真骨頂。

PROFILE

生誕2019.05.07
調教師友道康夫 (栗東)
主戦騎手武豊
通算成績16戦8勝 [8-1-1-6]
主な勝鞍日本ダービー (G1)
ジャパンカップ (G1)、有馬記念 (G1)
天皇賞・秋 (G1)、朝日杯FS (G1)
京都記念 (G2)

PEDIGREE

FATHER
ハーツクライ
(日本) 2001
サンデーサイレンス
アイリッシュダンス
×
MOTHER
ダストアンドダイヤモンズ
(米国) 2008
Vindication
Majestically

父はディープインパクトを破り世界を制したハーツクライ、母は米国の快速牝馬。日本屈指のスタミナと米国由来のスピードが融合し、2歳時から完成された心身と、古馬になってさらに磨かれた爆発的な末脚を併せ持つ「走るために生まれた」結晶。

CAREER RECORD

全レース成績

TOTAL: 18 ENTRIES 8 - 1 - 1 - 6 (2 W/D)
DATERACE NAMECOURSE / DIST.JOCKEYRESULT
2024.12.22有馬記念 (G1)中山 / 芝2500m武豊W/D
2024.11.24ジャパンカップ (G1)東京 / 芝2400m武豊1st
2024.10.27天皇賞・秋 (G1)東京 / 芝2000m武豊1st
2024.06.23宝塚記念 (G1)京都 / 芝2200m武豊6th
2024.03.30ドバイターフ (G1)メイダン / 芝1800m武豊5th
2023.12.24有馬記念 (G1)中山 / 芝2500m武豊1st
2023.11.26ジャパンカップ (G1)東京 / 芝2400m戸崎圭太4th
2023.10.29天皇賞・秋 (G1)東京 / 芝2000m戸崎圭太7th
2023.03.25ドバイターフ (G1)メイダン / 芝1800m武豊W/D
2023.02.12京都記念 (G2)阪神 / 芝2200m武豊1st
2022.10.02凱旋門賞 (G1)パリロンシャン / 2400m武豊19th
2022.09.11ニエル賞 (G2)パリロンシャン / 2400m武豊4th
2022.05.29東京優駿 (G1)東京 / 芝2400m武豊1st
2022.04.17皐月賞 (G1)中山 / 芝2000m武豊3rd
2022.03.06弥生賞ディープ記念 (G2)中山 / 芝2000m武豊2nd
2021.12.19朝日杯FS (G1)阪神 / 芝1600m武豊1st
2021.10.23アイビーS (L)東京 / 芝1800m武豊1st
2021.09.052歳新馬小倉 / 芝1800m武豊1st
CAREER HIGHLIGHTS

世代を超えた証明

01
Tokyo Yushun
7-13
2022.05.29 / 東京 2400m

THE RECORD-BREAKER

第89回 日本ダービー

空前絶後のハイレベル世代。直線大外から一完歩ごとに加速し、イクイノックスの猛追をクビ差退けた。2分21秒9という驚異のダービーレコードを樹立し、53歳の武豊に6度目のダービー制覇を届けた、歴史的一戦。

TIME
2:21.9
LAST 3F
33.7
02
Arima Kinen
5
2023.12.24 / 中山 2500m

THE REBORN

第68回 有馬記念

怪我から復帰したレジェンド武豊との再コンビ。不振と言われた秋2戦の鬱憤を晴らすかのように、大外から豪快な捲りを敢行。スターズオンアースをねじ伏せ、聖夜のグランプリを完全制覇。逆襲の幕開けを宣言した。

1着 ドウデュース2着 スターズオンアース
03
Tenno Sho Autumn
4-7
2024.10.27 / 東京 2000m

GOD SPEED

第170回 天皇賞(秋)

「絶望的な位置」と思われた最後方。しかし武豊の合図に応えた瞬間、彼は異次元の翼を広げた。上がり3ハロン32秒5という、G1勝ち馬として史上最速レベルの豪脚。まるで物理法則を無視したような加速で、全頭を抜き去った。

TIME
1:57.1
LAST 3F
32.5
04
Japan Cup
3
2024.11.24 / 東京 2400m

FINAL GLORY

第44回 ジャパンカップ

最強のライバルたちが集った世紀の一戦。3頭が横一線に並んだ壮絶な叩き合いの中、最後に勝負を決めたのは彼の執念だった。クビ差抜け出したゴール板。現役最強の称号を不動のものとし、4年連続G1制覇という金字塔を打ち立てた。

1着 ドウデュース2着 ドゥレッツァ
DATA ANALYTICS

次元を超えた
「最速」の末脚

2024年の天皇賞(秋)。最後方から進んだドウデュースが直線で見せたのは、物理法則を疑うほどの加速だった。記録した上がり3ハロンは32秒5。これはJRAのGI勝ち馬として史上最速レベルの数字であり、武豊騎手が「チーター」と称したその真骨頂。最高速に達した際のストライドと回転数は、並のサラブレッドでは到達し得ない領域にある。

32.5s

FASTEST LAP

上がり3ハロン(推定)

※2024 天皇賞(秋)

SPEED COMPARISON

G1史を塗り替える豪脚
AVERAGE G1 WINNER34.1s
STANDARD
DO DEUCE (2024 TENNO SHO)32.5s
UNMATCHED
DIFFERENCE-1.6s
GOD SPEED
平均的な勝ち時計との差
DO DEUCE
チーターみたい。遅い時はぽやぽやしてるけど、
直線で耳を伏せると次元が変わる。
主戦騎手 武豊
勝利インタビューより
20年以上やってきて、
こんなに成長する馬は初めて。
調教師 友道康夫
引退に際して
FAN VOICES

ファンからの声

Y

天皇賞秋の末脚、現地で見ていて震えました。武豊騎手と一緒に「逆襲」を果たす姿は、まさにスター。私たちの夢を体現してくれた馬です。

M

どん底から這い上がってきた有馬記念の勝利。47万票以上の得票は、みんなが彼の復活を信じていた証。聖夜の劇的な勝利は一生忘れません。

A

ジャパンカップの壮絶な追い比べ。三頭が並んだ時、最後はドウデュースが絶対に来ると信じていました。4年連続G1制覇なんて漫画みたい!

BEHIND THE SCENES

秘蔵エピソード

最強の「チーター」が見せた、人間味あふれる素顔

01

寂しがり屋の「悪ガキ」

圧倒的なオーラを放つドウデュースだが、実は大変な寂しがり屋。厩舎で隣の馬房が空くと不安そうに鳴き、目の前を他の馬が通ると「遊んで!」と言わんばかりについていこうとする。特に牝馬を見かけると、たとえ調教中であっても鼻を鳴らして駆け寄ろうとする「女の子好き」な一面は、陣営を何度も苦笑させたという。

02

計量ミスも跳ね返す潜在能力

2歳時のアイビーS前。厩務員が体重を測った際、予想より重い数値が出て武豊騎手に「すみません、太いです」と謝る一幕があった。しかし、蓋を開けてみればレースでは完勝。友道調教師も「首が弾んでいるのは、早く帰ってご飯を食べたいからじゃないか」と笑うほどの食欲と、多少の調整ミスを実力で凌駕する類まれなタフさが、彼の強さの源泉だった。

Equinox
THE ETERNAL RIVAL
DESTINY

EQUINOX

イクイノックス

彼がいなければ、ドウデュースの物語は完成しなかった。同世代に生まれた「世界1位」の天才、イクイノックス。2022年の日本ダービー。完璧なレース運びを見せたイクイノックスを、外からねじ伏せたのはドウデュースの執念だった。クビ差。そのわずかな距離が、二頭の運命を分かち、互いを高め合う燃料となった。後にイクイノックスが世界を席巻する中、不振と怪我に喘いだドウデュース。しかし最後に笑ったのは「逆襲」を信じ、5歳まで走り抜いたダービー馬だった。二頭の激闘は、日本競馬史に刻まれた永遠の叙事詩である。

2022東京優駿 (日本ダービー)
1stドウデュース
vs
2ndイクイノックス

逆襲の咆哮、不滅の絆

逆襲の咆哮、不滅の絆

競馬に「絶対」はない。しかし、ドウデュースという馬には「復活」という言葉が誰よりも似合っていた。2022年、日本ダービーをレコードで制した瞬間、彼は世代の頂点に立った。しかし、そこから始まったのは栄光ばかりではない。フランスの重い馬場に屈した凱旋門賞、不慮の怪我で出走を断念したドバイ。イクイノックスというライバルが次々と記録を塗り替えていく中で、ドウデュースは長く暗いトンネルの中にいた。

レジェンドとの誓い

「この馬でもう一度、勝ちたい」。武豊騎手の想いは、単なる勝利への渇望を超えた執念だった。50歳を超えてなお進化を続けるレジェンドと、怪我から這い上がってきた天才馬。2023年の有馬記念、そのコンビが復活した時、中山競馬場は異様な熱気に包まれた。大外から捲り上げ、直線で一気に先頭を奪う。その鮮烈な走りは、全盛期と変わらぬ、いや、それ以上の輝きを放っていた。それは、彼を信じ続けたすべての人々への、最高の「逆襲」だった。

終わりなき進化

5歳。多くの名馬が引退を考える年齢になっても、彼の脚は止まらなかった。2024年秋。天皇賞・秋で見せた「上がり32秒5」という衝撃。それは、ハーツクライから受け継いだスタミナに、母から譲り受けたスピードが完璧に融合した、究極のサラブレッドの姿だった。ジャパンカップでの壮絶な叩き合いを制した際、ゴール板を駆け抜けるその瞳は、2歳時の朝日杯で見せた無邪気さと、歴戦の勇士としての誇りが混ざり合っていた。

「絶対、種牡馬として成功する。彼の仔でもう一度、大きな夢を見たい」
――武豊

有馬記念目前の怪我による電撃引退。ファンが望んだ完璧なラストランは叶わなかったかもしれない。しかし、その未完の美学こそが、ドウデュースらしいと言えるのではないか。4年連続G1制覇、そして武豊という唯一無二のパートナーと共に歩んだ16戦。彼がターフに残した蹄跡は、これからも「夢」を語る上で欠かせない物語として、語り継がれていく。逆襲のヒーローは今、静かに故郷へと帰り、次なる伝説の幕開けを待っている。