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Ask Victor More

The Record HolderAsk Victor More

偉大なる父、最後の最高傑作。
その走りは、永遠に色褪せない。

PROFILE

生誕2019.04.01
調教師田村康仁 (美浦)
主戦騎手田辺裕信
通算成績12戦4勝 [4-1-2-5]
主な勝鞍菊花賞 (G1)
弥生賞ディープインパクト記念 (G2)
セントライト記念 (G2) 2着
日本ダービー (G1) 3着

PEDIGREE

FATHER
ディープインパクト
(日本) 2002
サンデーサイレンス
ウインドインハーヘア
×
MOTHER
カルティカ
(英) 2007
Rainbow Quest
Cayman Sunset

父は日本競馬の至宝、母の父は凱旋門賞馬。究極のスタミナとスピードが融合した血統は、3000mの激戦でその真価を発揮した。父ディープインパクトが日本に残した、最後のクラシック勝ち馬としての誇りを胸に、歴史にその名を刻んだ。

CAREER RECORD

全レース成績

TOTAL: 12 RUNS4 - 1 - 2 - 5
DATERACE NAMECOURSE / DIST.JOCKEYRESULT
2023.06.25宝塚記念 (G1)阪神 / 芝2200m横山武史11th
2023.04.30天皇賞・春 (G1)京都 / 芝3200m横山武史11th
2023.03.25日経賞 (G2)中山 / 芝2500m田辺裕信9th
2022.10.23菊花賞 (G1)阪神 / 芝3000m田辺裕信1st
2022.09.19セントライト記念 (G2)中山 / 芝2200m田辺裕信2nd
2022.05.29日本ダービー (G1)東京 / 芝2400m田辺裕信3rd
2022.04.17皐月賞 (G1)中山 / 芝2000m田辺裕信5th
2022.03.06弥生賞ディープ記念 (G2)中山 / 芝2000m田辺裕信1st
2022.01.053歳1勝クラス中山 / 芝2000m田辺裕信1st
2021.10.23アイビーS (L)東京 / 芝1800m戸崎圭太3rd
2021.09.202歳未勝利中山 / 芝1800m戸崎圭太1st
2021.06.262歳新馬東京 / 芝1800m戸崎圭太3rd
CAREER HIGHLIGHTS

不屈の証明

01
Yayoi Sho
5-10
2022.03.06 / 中山 2000m

THE DEFEAT OF THE KING

報知杯 弥生賞ディープインパクト記念

後のダービー馬ドウデュースとの最初の激突。スローペースを見越し、2番手から粘り強く脚を伸ばす。王者をクビ差封じ込めたその走りは、父の名を冠したレースで「ディープ産駒最多勝」という歴史的記録を打ち立てた。

TIME
2:00.5
vs DOU DEUCE
WIN
02
Tokyo Yushun
3
2022.05.29 / 東京 2400m

SPIRIT OF DEEP

第89回 東京優駿(日本ダービー)

「例年のダービーなら勝っている」。田村調教師がそう唇を噛んだ激走。2分22秒2という驚異的なタイムで駆け抜け、直線一度は先頭に立つ。ドウデュース、イクイノックスに屈するも、世代最高峰の力を世界に示した。

1着 ドウデュース3着 アスクビクターモア
03
St Lite Kinen
7
2022.09.19 / 中山 2200m

THE PRIDE OF DISCIPLE

朝日杯 セントライト記念

師匠である田中和夫元調教師への恩返しを誓った一戦。ガイアフォースとの壮絶な叩き合い。アタマ差の2着に敗れはしたが、この敗北こそが、次走の歴史的な大記録へと彼を突き動かす原動力となった。

MARGIN
Head
FAVORITE
1st
04
Kikkasho
14
2022.10.23 / 阪神 3000m

RECORD BREAKER

第83回 菊花賞

1000m58秒7という超ハイペース。2番手追走から早めに抜け出す過酷な競馬。最後はボルドグフーシュの猛追をハナ差しのぎ切り、ナリタトップロードの伝説を塗り替えるコースレコードで悲願の頂点に立った。

1着 アスクビクターモアRECORD: 3:02.4
DATA ANALYTICS

阪神3000mの
歴史的レコード

2022年の菊花賞。彼は従来の記録を0.1秒更新する3分2秒4で走破した。3000mという過酷な距離、かつハイペースという条件下でのレコード更新は、彼の心肺機能とスタミナが世界水準であった何よりの証左である。

3:02.4

COURSE RECORD

3000m 走破時計

※2022 菊花賞 (阪神)

RECORD BREAKING

21年ぶりの更新
PREVIOUS RECORD (2001)3:02.5
NARITA TOP ROAD
ASK VICTOR MORE (2022)3:02.4
NEW RECORD
STAMINA INDEXMAX
UNMATCHED
阪神/京都 芝3000m総合指標
LAST DEEP
抑え込むよりマイペースで。
馬の力を信じて自分で動かした。
主戦騎手 田辺裕信
菊花賞 勝利インタビュー
体つきは子供っぽいが、
心肺機能がとにかく素晴らしい。
調教師 田村康仁
デビュー前 評価より
FAN VOICES

不屈のステイヤーへ

A

ディープ産駒で菊花賞。あのレコード勝ちは震えました。お父さんの最高傑作として、最後まで力強く踏ん張る姿に勇気をもらいました。

M

突然の訃報に言葉を失いました。あの暑い日の衝撃は忘れません。もっと古馬での円熟した走りを見たかった。安らかに。

S

弥生賞でドウデュースを負かした時の衝撃。田辺騎手との呼吸がピッタリで、中山の急坂を力強く駆け上がる姿が目に焼き付いています。

BEHIND THE SCENES

不屈の魂の裏側

天才が遺した、真摯でひたむきな記録

01

驚異の心肺機能

田村調教師がデビュー前から驚嘆していたのは、彼の桁外れの心肺機能だった。「ケイコ(調教)ではとにかく動く。併せ馬をしても、相手が勝負にならないほど」と評されたそのタフさこそが、菊花賞の過酷なハイペースを耐え抜いた源泉だった。

02

田中家への恩返し

セントライト記念で敗れた際、田村師は「田中和夫先生の家に対して申し訳ない」と深い悔しさを露わにした。名馬セントライトに名を冠したレースへの敬意と、師匠への恩義。その重圧と想いが、彼を菊花賞という大舞台での戴冠へ導いた。

Do Deuce
THE ARCHRIVAL
DESTINY

DO DEUCE

ドウデュース

常にアスクビクターモアの前に立ちはだかり、そして時にはその背中を追った宿命のライバル。弥生賞ではアスクがクビ差で制し、ダービーではドウデュースが王者の走りを見せた。

共にディープインパクト、ハーツクライという偉大な父を持つ者同士。2022年のクラシック戦線は、この二頭の激闘があったからこそ、語り継がれるべき伝説となった。

2022弥生賞ディープ記念
1stアスクビクターモア
vs
2ndドウデュース

空へ駆け抜けた勝利

空へ駆け抜けた勝利

父ディープインパクトがこの世を去り、その最後の方の産駒として誕生したアスクビクターモア。彼に託された宿命は、あまりにも大きく、そして重いものだった。しかし彼は、その期待を背負いながら、自らの足跡を確かなものとして刻み込んでいった。

三冠最後の、意地の証明

春のクラシックでは、あと一歩が届かなかった。皐月賞5着、ダービー3着。能力の高さは誰もが認めていたが、勝利の女神はなかなか微笑まない。しかし、秋の菊花賞。阪神3000mという過酷な舞台で、彼は自ら厳しい展開を作り出し、逃げるように、あるいは突き放すようにしてレコードを叩き出した。それは「自分こそが最強である」という、叫びにも似た証明だった。

あまりにも早すぎた別れ

菊花賞馬として、さらなる飛躍が期待された4歳時。しかし、運命は残酷な形で彼をターフから連れ去った。2023年夏、放牧先での熱中症による急死。その報に接した競馬界は深い悲しみに包まれた。これから円熟期を迎え、さらに強い姿を見せてくれるはずだった天才の早すぎる死。トレンドを埋め尽くした追悼の言葉は、彼がどれほど愛されていたかを物語っていた。

「例年のダービーならこの時計は勝っている。悔いはない。それだけの馬なんだ」
――田村康仁

アスクビクターモア。その名は「勝利を、もっと」と願う切実な祈りのようでもある。彼が遺した菊花賞のレコードタイムは、今もなお色褪せることなく掲示板に刻まれている。紺碧の空へと駆け抜けていったその魂は、今もなお、私たちが空を見上げるたびに、あの秋の日の熱狂を思い出させてくれる。父ディープインパクトが遺した最後の至宝として。