Agnes Tachyon Archive
Agnes Tachyon

The Tachyon Agnes Tachyon

「音速」を超えた、
刹那の輝き。

PROFILE

生誕1998.04.13
調教師長浜博之 (栗東)
主戦騎手河内洋
通算成績4戦4勝 [4-0-0-0]
主な勝鞍 皐月賞 (G1)
弥生賞 (G2)
ラジオたんぱ杯3歳S (G3)

PEDIGREE

FATHER
サンデーサイレンス
(米) 1986
Halo
Wishing Well
×
MOTHER
アグネスフローラ
(日本) 1987
ロイヤルスキー
アグネスレディー

父は日本競馬を変えた大種牡馬、母は桜花賞馬、祖母はオークス馬。さらに全兄にダービー馬アグネスフライトを持つ超良血。 伊藤雄二調教師に「サンデーサイレンスの最高傑作」と言わしめた、類稀なる才能の結晶。

CAREER RECORD

全レース成績

TOTAL: 4 RUNS 4 - 0 - 0 - 0
DATERACE NAMECOURSE / DIST.JOCKEYRESULT
2001.04.15皐月賞 (G1)中山 / 芝2000m河内洋1st
2001.03.04弥生賞 (G2)中山 / 芝2000m河内洋1st
2000.12.23ラジオたんぱ杯3歳S (G3)阪神 / 芝2000m河内洋1st
2000.12.023歳新馬阪神 / 芝2000m河内洋1st
CAREER HIGHLIGHTS

天才の証明

01
Radio Tampa Hai
4-4
2000.12.23 / 阪神 2000m

THE LEGEND

ラジオたんぱ杯3歳S

後にダービー馬となるジャングルポケット、NHKマイルCとJCダートを制するクロフネ。 最強世代の怪物が揃った伝説のG3。しかし、タキオンの次元は違った。 一瞬で先頭に立つと、2馬身半差をつけてレコード勝ち。 「2000mであの瞬発力はあり得ない」と河内騎手を唸らせた衝撃の一戦。

TIME
2:00.8
RECORD
CR
02
Yayoi Sho
7
2001.03.04 / 中山 2000m

OVERCOME ADVERSITY

第38回 弥生賞

不良馬場という最悪のコンディション。スピードタイプの彼には不利かと思われたが、それは杞憂だった。 泥んこの馬場を苦もなく駆け抜け、手前を変えることすらせず馬なりで5馬身差の圧勝。 どんな環境でも揺るがない、底知れぬポテンシャルを見せつけた。

1着 アグネスタキオン 2着 ボーンキング
03
Satsuki Sho
4-7
2001.04.15 / 中山 2000m

THE PHANTOM

第61回 皐月賞

単勝1.3倍、支持率59.4%。国民的な期待を背負ったクラシック第一戦。 4コーナーから直線へ、彼が加速装置を作動させると、他馬が止まって見えた。 猛追するダンツフレームらを寄せ付けず、無敗での戴冠。 しかしこれが、天才がターフで見せた最後の輝きとなった。

TIME
2:00.3
RANKING
No.1
DATA ANALYTICS

伝説の
2歳レコード

2000年のラジオたんぱ杯3歳S。後にG1を制するクロフネ、ジャングルポケットとの「3強対決」で、アグネスタキオンは次元の違う走りを見せた。 勝ちタイム2分00秒8は、従来の記録を大幅に更新する2歳コースレコード。 単なる早熟馬のタイムではない。最強のライバルたちを子供扱いし、余力を持って叩き出したこの数字は、彼の無限のポテンシャルを証明している。

2:00.8

COURSE RECORD

2歳 2000m走破時計

※2000 ラジオたんぱ杯3歳S

LEGENDARY RACE

最強世代の頂点
AGNES TACHYON 2:00.8
WINNER
JUNGLE POCKET 2:01.2
DERBY HORSE
KUROFUNE 2:01.4
NHK MILE / JC DIRT
伝説の3強比較
TACHYON
2000mであの瞬発力を出せて、
あの反応ができる馬はなかなかいない。
主戦騎手 河内洋
ラジオたんぱ杯後
サンデーサイレンスの最高傑作。
スケールが違う。
元調教師 伊藤雄二
名伯楽の評価
FAN VOICES

ファンからの声

K

皐月賞の4コーナー、あの加速には戦慄した。 これまで数多くの名馬を見てきたが、アグネスタキオンの「速さ」は異質。 間違いなく三冠を獲れる器だった。ダービーでの走りを見たかった。

S

わずか4戦で引退しながら、内国産種牡馬として51年ぶりのリーディングサイアー獲得。 ダイワスカーレットやディープスカイを輩出し、父としても天才だったことを証明した。

Y

ゲームでタキオンを知り、実際のレース映像を見て衝撃を受けました。 ライバルのジャングルポケットやマンハッタンカフェがその後活躍したからこそ、 彼の「幻の強さ」が際立ちます。

BEHIND THE SCENES

秘蔵エピソード

超光速の天才にも、意外な素顔とミステリアスな一面があった

01

人を見る賢さ

調教時のこと。タキオンは坂路からコースへ出る際、河内騎手が促しても全く動かないことがあったという。 しかし、助手に乗り替わるとすんなり動いた。「人を見てたんだろうね」と河内騎手は笑う。 自分が認めた相手にしか本気を見せない、王様のような気高さを持っていたのかもしれない。

02

限界を知っていた?

皐月賞のゲート前で立ち止まり、なかなか入ろうとしなかったタキオン。 また、長浜調教師が普段は慎重なのに「三冠を意識する」と語る一方で「危うさ」も感じていたこと。 まるで彼自身が、自分の脚が持つ限界と、残された時間の短さを予感していたかのような振る舞いだったと、関係者は振り返る。

Jungle Pocket
THE ARCHRIVAL
DESTINY

JUNGLE POCKET

ジャングルポケット

タキオンがターフを去った後、その背中を追いかけた最強のライバル。 ラジオたんぱ杯、皐月賞と二度タキオンに敗れた彼は、タキオン不在の日本ダービーを制し、さらにジャパンカップで世紀末覇王テイエムオペラオーを撃破した。

「もしタキオンがいたら」——人々はそう夢想する。 しかし、ジャングルポケットが強くなればなるほど、彼に完勝したアグネスタキオンの伝説もまた、輝きを増していったのだ。 二頭の関係は、不在によって完成する永遠のライバル関係だった。

2000 ラジオたんぱ杯3歳S
1st アグネスタキオン
vs
2nd ジャングルポケット

幻の三冠馬

幻の三冠馬

その馬は、光のように現れ、光のように去っていった。 アグネスタキオン。物理学用語で「超光速の粒子」を意味するその名は、彼の運命を暗示していたかのようだ。 デビューからわずか4戦。期間にして約5ヶ月。 その短い時間に、彼は競馬の常識を覆すほどの強烈なインパクトを残した。

完成された未完成

新馬戦で見せた異次元の末脚。ラジオたんぱ杯で最強世代のライバルたちを子供扱いした衝撃。 そして、最初で最後となったG1・皐月賞。 彼は常に完璧だった。しかし、河内騎手が「本来の走りではない」と評したように、 私たちは遂に彼の「本気」を見ることはなかったのかもしれない。 底を見せないまま、彼は伝説の中に消えた。 だからこそ、人々は夢を見る。「もし彼がダービーを走っていたら」「もし古馬になっていたら」。 その夢想こそが、彼が「幻の三冠馬」と呼ばれる所以である。

受け継がれる光

引退後、種牡馬となった彼は、その溢れんばかりの才能を産駒たちに伝えた。 ダイワスカーレット、ディープスカイ、キャプテントゥーレ。 彼の血を引く馬たちは、父が走れなかった距離を、父が見られなかった景色を、次々と制していった。 2008年には内国産種牡馬として51年ぶりのリーディングサイアーに輝く。 走る能力だけでなく、伝える能力においても、彼は間違いなく天才だった。

永遠の超光速

2009年、11歳という若さで彼はこの世を去った。 あまりにも早すぎる死。しかし、その血と伝説は決して消えることはない。 競馬場にファンファーレが鳴り響くたび、私たちは思い出すだろう。 かつて、他の誰よりも速く、美しく、そして儚く駆け抜けた栗毛の怪物がいたことを。 アグネスタキオン。その光は、今も私たちの心の中で輝き続けている。

「彼は全てを超越していた。まさに超光速の粒子だった」