Normcore Digital Tribute
Normcore

The Record Breaker Normcore

1分30秒5。
彼女が刻んだのは、常識を超えた衝撃。

PROFILE

生誕2015.02.25
調教師萩原清 (美浦)
主戦騎手D.レーン / 横山典弘
通算成績17戦7勝 [7-1-2-7]
主な勝鞍 香港カップ (G1)
ヴィクトリアマイル (G1)
札幌記念 (G2)
富士ステークス (G3)、紫苑ステークス (G3)

PEDIGREE

FATHER
ハービンジャー
(英) 2006
Dansili
Penang Pearl
×
MOTHER
クロノロジスト
(日本) 2003
クロフネ
インディスタイム

父は世界一の評価を得た名ステイヤー、母の父は日本が誇るスピード自慢のクロフネ。欧州の重厚なスタミナと、砂をもこなす日本的なパワーが絶妙に融合し、東京の高速馬場を切り裂く唯一無二のスピードが醸成された。

CAREER RECORD

全レース成績

TOTAL: 17 RUNS 7 - 1 - 2 - 7
DATERACE NAMECOURSE / DIST.JOCKEYRESULT
2020.12.13香港カップ (G1)沙田 / 芝2000mZ.パートン1st
2020.11.15エリザベス女王杯 (G1)阪神 / 芝2200m横山典弘16th
2020.08.23札幌記念 (G2)札幌 / 芝2000m横山典弘1st
2020.06.07安田記念 (G1)東京 / 芝1600m横山典弘4th
2020.05.17ヴィクトリアマイル (G1)東京 / 芝1600m横山典弘3rd
2020.03.29高松宮記念 (G1)中京 / 芝1200m横山典弘15th
2019.12.08香港マイル (G1)沙田 / 芝1600mC.ルメール4th
2019.10.19富士ステークス (G3)東京 / 芝1600mC.ルメール1st
2019.05.12ヴィクトリアマイル (G1)東京 / 芝1600mD.レーン1st
2019.03.09中山牝馬S (G3)中山 / 芝1800m田辺裕信7th
2019.01.26愛知杯 (G3)中京 / 芝2000mC.ルメール2nd
2018.11.11エリザベス女王杯 (G1)京都 / 芝2200mC.ルメール5th
2018.09.08紫苑ステークス (G3)中山 / 芝2000mC.ルメール1st
2018.04.22フローラS (G2)東京 / 芝2000m戸崎圭太3rd
2018.03.17フラワーC (G3)中山 / 芝1800m北村宏司3rd
2017.09.09アスター賞 (500万下)中山 / 芝1600m北村宏司1st
2017.07.162歳新馬福島 / 芝1800m石川裕紀人1st
CAREER HIGHLIGHTS

極速の証明

01
Victoria Mile
2-4
2019.05.12 / 東京 1600m

THE RECORD

第14回 ヴィクトリアマイル

誰もが目を疑った。掲示板に表示されたタイムは1分30秒5。従来のレコードを0.8秒も更新する、日本競馬史を塗り替えるスーパーレコードだった。D.レーン騎手を背に、超高速馬場を涼しい顔で切り裂いたその走りは、彼女が単なる「普通」ではないことを世界に知らしめた。

TIME
1:30.5
RECORD
JRA
02
Sapporo Kinen
1
2020.08.23 / 札幌 2000m

VERSATILE POWER

第56回 札幌記念

マイルの女王が、北の大地でその多才さを見せつけた。並み居る強豪牡馬を相手に、横山典弘騎手とのコンビで完勝。2000mという距離への不安を、力強い末脚で一蹴した。洋芝適性とスタミナを証明し、彼女の可能性は再び大きく広がった。

1着 ノームコア 2着 ペルシアンナイト
03
Hong Kong Cup
3-8
2020.12.13 / 沙田 2000m

GLOBAL VICTORY

香港カップ

引退レースとして挑んだ異国の地、シャティン。名手Z.パートンを背に、直線で力強く抜け出した。日本、そして世界を沸かせた快速牝馬のラストラン。有終の美を飾る海外G1制覇は、妹クロノジェネシスへの最高のバトンパスとなった。

TIME
2:00.50
RESULT
WIN
04
Shion Stakes
14
2018.09.08 / 中山 2000m

EARLY GLORY

第3回 紫苑ステークス

クラシック戦線での惜敗を糧に、秋の初戦で真価を発揮。ルメール騎手との初コンビで、他馬を圧倒する異次元の伸び脚を見せ、重賞初制覇。後に続くG1馬としての風格が、この時すでに備わっていたことをファンに強く印象付けた。

1着 ノームコア 2着 マウレア
DATA ANALYTICS

極限の
JRAレコード

2019年のヴィクトリアマイルで彼女が刻んだ1分30秒5という数字は、単なるコースレコードではない。当時の安田記念の勝ち時計をも凌駕し、芝1600mにおいて「日本で最も速い馬」として認められた歴史的なマイルストーンである。

1:30.5

JRA RECORD

1600m 走破時計

※2019 ヴィクトリアマイル

SPEED COMPARISON

異次元の時計
PREVIOUS RECORD (2013) 1:31.3
STAGNANT
NORMCORE (2019) 1:30.5
THE WALL
TIME REDUCTION -0.8s
CRITICAL GAP
タイム短縮の衝撃
NORMCORE
最高にエキサイティングな気分です。
日本に来て、彼女の強さを実感しました。
主戦騎手 D.レーン
ヴィクトリアマイル勝利会見にて
この馬には色々なことを教わりました。
最後に最高の結果で引退できて良かった。
調教師 萩原清
引退発表時のコメント
FAN VOICES

ファンたちの記憶

N

「ノームコア」という名前とは正反対の、全く普通ではない速さ。掲示板の1:30.5を見たとき、競馬場全体が静まり返った後、どよめきに変わった瞬間が忘れられません。

S

香港でのラストラン。4コーナーを回ってきたときの芦毛の馬体は本当に美しかった。引退は寂しいけれど、最高の形でターフを去る彼女は本当にかっこよかった。

K

姉のノームコアが香港で勝ち、妹のクロノジェネシスが有馬記念を勝つ。そんな漫画のような現実を見せてくれた。最強の姉妹として歴史に名前が残るでしょう。

BEHIND THE SCENES

究極の普通を巡る物語

名前の由来から、彼女の意外な素顔まで

01

「究極の普通」という名

馬主の池谷氏がセレクトセールで彼女を落札した際、「値段も高くなかったし、普通の馬だと思っていた」という理由から、ファッション用語の「ノームコア(究極の普通)」と命名。しかし、その走りは名前に反してあまりにも特別だった。このギャップが彼女を唯一無二の存在へと押し上げた。

02

自立した「強き女性」

香港遠征時、師が不在の中でも厩務スタッフと協力し、動じることなく調整を進めた。スタッフ曰く「普段から自由にやらせてもらっていたので、自立していた」。気高い精神と自律心、それこそが異国の地でもレコード勝ちを収める精神力の源泉だったのだ。

Chrono Genesis
THE SOUL SISTER
SISTERHOOD

CHRONO GENESIS

クロノジェネシス

ノームコアを語る上で、最愛の妹クロノジェネシスの存在は欠かせない。 共にG1馬となり、2020年12月にはノームコアが香港カップを、そのわずか2週間後にクロノジェネシスが有馬記念を制覇。

「造形美」の姉と、「機能美」の妹。 歩む路線は違えど、二頭の絆は日本競馬の歴史に「史上初の同月国内・海外G1制覇」という燦然たる記録を刻み込んだ。

交わることのなかった姉妹の軌跡は、互いの背中を追い、高め合う運命の糸で結ばれていた。

2020 DECEMBER GLORY
G1 ノームコア
&
G1 クロノジェネシス

極限を超えた快速の記憶

極限を超えた快速の記憶

「究極の普通」。その名を背負った芦毛の少女は、誰よりも「普通」ではない結末を次々と描き出した。 2000万円台という控えめな落札価格から始まった物語は、終わってみれば国内外のG1を制し、史上空前の時計を刻む伝説の旅路となった。 彼女が駆けたのは、ただの芝ではない。見る者の常識という壁を破壊する、加速の荒野だった。

1分30秒5、静寂を切り裂く叫び

2019年、初夏の東京。ヴィクトリアマイルの直線、ノームコアが繰り出した末脚は、もはや生物の限界を超えていた。 ゴール板を駆け抜けた瞬間、タイマーが示した「1:30.5」。その数字は、競馬場を沈黙させ、次の瞬間に割れんばかりの歓声を呼び起こした。 マイルという過酷な舞台で、1秒近くもレコードを塗り替える。その残酷なまでの速さは、彼女が血統に秘めた「スピードの天才」としての覚醒だった。

異国の空、最強の有終の美

彼女のキャリアは、常に挑戦の連続だった。時に敗れ、時に不調に苦しんでも、彼女の精神が折れることはなかった。 集大成となった香港カップ。主戦の横山典弘騎手からバトンを受けたZ.パートンを背に、彼女は最後にして最大の煌めきを放つ。 沙田の直線、他馬を寄せ付けない力強い脚取り。それは、日本で磨き上げた快速が、世界でも通用することの最終証明だった。 ゴール後、異国の地で鳴り響いた「Normcore」の名。それは、彼女が「究極の特別」になった瞬間だった。

受け継がれる「普通」ならざる血

妹クロノジェネシスと共に歩んだ時代、日本競馬は彼女たち姉妹を中心に回っていたと言っても過言ではない。 2020年12月、姉が香港の夜を、妹が中山の暮れを制したあの2週間。 競馬の神様が仕組んだような奇跡的なタイミングは、ノームコアという名牝が残した最大のギフトだったのかもしれない。

「彼女は本当のプロフェッショナルだった。どんな環境でも自分の走りを貫く強さがあった」
――厩務スタッフの回想より

今、彼女は母となり、その血を次世代へと繋いでいる。 彼女の子供たちが落札される価格は、もはや「普通」ではない。それは、ノームコアが一生をかけて証明した「価値」の結晶だ。 「究極の普通」は、これからも伝説として語り継がれる。 かつて東京の空の下、誰よりも速く、風よりも鋭く、光となって駆け抜けた芦毛の女王がいたことを。