Orfevre

The TyrantOrfevre

「常識」も「ラチ」も、
彼を縛ることはできなかった。

PROFILE

生誕2008.05.14
調教師池江泰寿 (栗東)
主戦騎手池添謙一
通算成績21戦12勝 [12-6-1-2]
主な勝鞍クラシック三冠 (G1)
有馬記念 (G1) 2回
宝塚記念 (G1)
フォワ賞 (G2) 2連覇
スプリングS (G2)

PEDIGREE

FATHER
ステイゴールド
(日本) 1994
サンデーサイレンス
ゴールデンサッシュ
×
MOTHER
オリエンタルアート
(日本) 1997
メジロマックイーン
エレクトロアート

父は不屈の根性を持つステイゴールド、母の父は絶対王者メジロマックイーン。通称「ステマ配合」の最高傑作。その血に流れる激しすぎる気性と圧倒的な底力が、日本競馬界に「暴君」という唯一無二の個性を生み出した。

CAREER RECORD

全レース成績

TOTAL: 21 RUNS12 - 6 - 1 - 2
DATERACE NAMECOURSE / DIST.JOCKEYRESULT
2013.12.22有馬記念 (G1)中山 / 芝2500m池添謙一1st
2013.10.06凱旋門賞 (G1)ロンシャン / 芝2400mC.スミヨン2nd
2013.09.15フォワ賞 (G2)ロンシャン / 芝2400mC.スミヨン1st
2013.03.31産経大阪杯 (G2)阪神 / 芝2000m池添謙一1st
2012.11.25ジャパンカップ (G1)東京 / 芝2400m池添謙一2nd
2012.10.07凱旋門賞 (G1)ロンシャン / 芝2400mC.スミヨン2nd
2012.09.16フォワ賞 (G2)ロンシャン / 芝2400mC.スミヨン1st
2012.06.24宝塚記念 (G1)阪神 / 芝2200m池添謙一1st
2012.04.29天皇賞・春 (G1)京都 / 芝3200m池添謙一11th
2012.03.18阪神大賞典 (G2)阪神 / 芝3000m池添謙一2nd
2011.12.25有馬記念 (G1)中山 / 芝2500m池添謙一1st
2011.10.23菊花賞 (G1)京都 / 芝3000m池添謙一1st
2011.09.25神戸新聞杯 (G2)阪神 / 芝2400m池添謙一1st
2011.05.29日本ダービー (G1)東京 / 芝2400m池添謙一1st
2011.04.24皐月賞 (G1)東京 / 芝2000m池添謙一1st
2011.03.26スプリングS (G2)阪神 / 芝1800m池添謙一1st
2011.02.06きさらぎ賞 (G3)京都 / 芝1800m池添謙一3rd
2011.01.09シンザン記念 (G3)京都 / 芝1600m池添謙一2nd
2010.11.13京王杯2歳S (G2)東京 / 芝1400m池添謙一10th
2010.10.03芙蓉S (OP)中山 / 芝1600m池添謙一2nd
2010.08.142歳新馬新潟 / 芝1600m池添謙一1st
CAREER HIGHLIGHTS

暴君の蹄跡

01
Kikuka Sho
7-14
2011.10.23 / 京都 3000m

TRIPLE CROWN

第72回 菊花賞

単勝1.4倍、圧倒的な支持を背に受けた三冠への最終関門。直線で力強く抜け出すと、後続を寄せ付けず完勝。史上7頭目の三冠馬が誕生した瞬間だった。しかし、ゴール直後に鞍上を振り落とす「暴君」らしいパフォーマンスが、後の伝説の幕開けとなった。

TIME
3:02.8
RESULT
1st
02
Hanshin Daishoten
12
2012.03.18 / 阪神 3000m

THE WARP

第60回 阪神大賞典

2周目向こう正面で外ラチへ逸走し、完全に失速。誰もが「中止」を確信したその瞬間、彼は再びエンジンを点火させた。絶望的な差をひっくり返し、馬群を縫うように追い上げての2着。敗北しながらも「化け物」の証明をした、競馬史に残る怪演。

1着 ギュスターヴクライ2着 オルフェーヴル
03
Prix de l'Arc de Triomphe
18
2012.10.07 / ロンシャン 2400m

WORLD SHOCK

第91回 凱旋門賞

世界最高峰の舞台。直線で異次元の脚を見せ、一度は完全に突き抜けた。日本馬初の悲願まであと数メートル。しかし、内ラチへもたれる斜行を見せ、わずかクビ差、勝利の女神は指をこぼれ落ちた。世界がその圧倒的な能力と、危うい繊細さに震えた日。

RANK
2nd
ODDS
1st Fav
04
Arima Kinen
6
2013.12.22 / 中山 2500m

GOLDEN FINALE

第58回 有馬記念

引退レース。4コーナーを回る手前、早々と先頭に立つと、中山の直線は独演会と化した。後続を引き離し、その差は実に8馬身。日本競馬界がこれまでに見たこともないような残酷なまでの強さ。完璧な終止符、黄金の暴君は伝説へと昇華した。

1着 オルフェーヴル2着 ウインバリアシオン
DATA ANALYTICS

次元を超えた
圧倒的パフォーマンス

引退レースとなった2013年有馬記念。彼は中山の直線を「独走」という言葉すら生ぬるいほどの勢いで駆け抜けた。2着に付けた着差は実に8馬身。この衝撃は、ロンジン・ワールド・ベストレースホース・ランキングにおいて世界2位となる129ポンドという驚異的な評価を受けた。気性難という諸刃の剣を抱えながら、全てが噛み合った瞬間に放たれるエネルギーは、統計学の限界を軽々と超越していた。

129.0

WORLD RANKING

世界歴代最高クラスの評価値

※2013年 有馬記念の走法評価

PERFORMANCE GAP

2013 有馬記念の衝撃
AVERAGE G1 MARGIN1.5 Lengths
STANDARD
ORFEVRE MARGIN8.0 Lengths
THE TYRANT ZONE
WORLD LB RATING129 lbs
WORLD NO.2
史上最高級の着差とレーティング
ORFEVRE
逸走してからも、一頭だけ別の次元で走っていた。
あれはもう、化け物だと思う。
調教師 池江泰寿
阪神大賞典を振り返って
振り落とされるのも、勝つのも、
全部僕とオルフェーヴルらしいんです。
主戦騎手 池添謙一
三冠達成時のインタビューより
FAN VOICES

ファンからの声

O

有馬記念の8馬身差。あれを見た瞬間、オルフェーヴルがこれまでの三冠馬の中でも別格だと確信しました。狂気と強さが同居した、唯一無二の競走馬でした。

S

ロンシャンの直線、一度は夢を見た。あの斜行も含めてオルフェらしいけど、勝たせてあげたかった。世界で一番強い馬は彼だと今でも信じています。

H

ラチの方へ消えていった時は何が起きたか分からなかった。そこからの再加速を見て「生きる伝説」を見ているのだと鳥肌が立ったのを覚えています。

BEHIND THE SCENES

秘蔵エピソード

暴君と呼ばれた彼が残した、破天荒で愛すべき記憶

01

勝利と引き換えの「振り落とし」

新馬戦、そして三冠を達成した菊花賞。栄光のゴールを駆け抜けた直後、オルフェーヴルは決まって池添騎手を振り落とした。特に菊花賞では、三冠馬としての威厳を見せるはずのウイニングランが、厩務員に引かれる形での「徒歩」となる異例の事態に。主戦騎手への手荒すぎる祝福は、彼の激しすぎる気性の象徴だった。

02

引退後の「再会」と強烈な一撃

引退し、種牡馬となったオルフェーヴルの元を池添騎手が訪ねた時のこと。久々の再会に穏やかな時間が流れるかと思いきや、鼻面を撫でようとした池添騎手に対し、彼は鋭い前蹴りを放った。引退してもなお色褪せない闘争心と、かつての相棒への「らしすぎる」挨拶。その健在ぶりに、関係者は驚きと共に笑顔をこぼした。

Gentildonna
THE ARCHRIVAL
DESTINY

GENTILDONNA

ジェンティルドンナ

黄金の暴君の前に立ちはだかったのは、史上最強の「貴婦人」だった。

2012年ジャパンカップ。三冠馬同士の激突は、直線での凄まじいタックルと叩き合いに発展した。はじき飛ばされ、宙に浮くほどの衝撃を受けながらも、オルフェーヴルは泥臭く食い下がった。結果はわずか数センチの差での敗北。

荒ぶる天才を力でねじ伏せた彼女の存在があったからこそ、オルフェーヴルの物語はより一層、激しく輝いたのである。

2012JAPAN CUP
2ndオルフェーヴル
vs
1stジェンティルドンナ

黄金の夢、暴君の咆哮

黄金の夢、暴君の咆哮

日本競馬の歴史において、「最強」を議論する際に欠かせない名がいくつかある。しかし、「最狂」でありながら「最強」であった馬となれば、オルフェーヴルの右に出る者はいないだろう。ステイゴールドから受け継いだ激しい気性と、メジロマックイーンから授かった無限のスタミナ。その血の結晶は、私たちの想像を遥かに超えた場所へと突き進んだ。

三冠、そして落馬という伝説

2011年、震災の影が残る日本に、彼は一条の光として現れた。皐月賞、日本ダービー、そして菊花賞。一戦ごとに凄みを増す走りで、史上7頭目の三冠馬へと登り詰める。しかし、その栄光の瞬間ですら彼は平穏ではいられなかった。菊花賞のゴール後、スタンドの熱狂に応える間もなく相棒・池添謙一を振り落とした姿は、彼が単なる「速い馬」ではなく、誰も制御できない「暴君」であることを全国民に知らしめた。

ロンシャンの直線の、震えるような後悔

世界一の称号に最も近づいた2012年の凱旋門賞。重い芝を突き抜け、異次元の加速を見せた直線。日本中の誰もが「勝った」と確信した。だが、勝利を確信した瞬間の斜行。あと数完歩あれば。もう少し真っ直ぐ走っていれば。その「もしも」という言葉がこれほど重く響くレースが他にあるだろうか。敗れてなお、世界中の競馬人が「この馬が世界最強だ」と認めざるを得ないパフォーマンス。それこそがオルフェーヴルの真価だった。

語り継がれるべき終止符

そして迎えた2013年、有馬記念。引退の花道を飾るために、彼は中山のターフに立った。4コーナーを回る時、既に勝負は決していた。後続を置き去りにし、突き放し、独走するその姿。8馬身という着差は、彼から私たちへの最後の手向けだったのかもしれない。「俺を忘れるな」と叫ぶような、残酷なまでの美しさ。黄金の毛並みが冬の西日に輝き、伝説へと変わった瞬間を、私たちは決して忘れない。

「能力は間違いなく世界一。ただ、それを出すのが一番難しかった」
――池添謙一

通算21戦12勝。数字以上の衝撃を、彼は常に与え続けた。逸走、斜行、落馬、そして圧倒的な圧勝。全てがオルフェーヴルという物語の一部であり、そのどれが欠けても彼ではない。黄金の暴君が走り抜けた時代を共有できた幸福を噛み締めながら、私たちはこれからも語り続けるだろう。常識をラチの外へと放り投げた、あの気高き天才の蹄音を。