Almond Eye Tribute
Almond Eye

The QueenAlmond Eye

「九冠」という、
前人未到の頂へ。

PROFILE

生誕2015.03.10
調教師国枝栄 (美浦)
主戦騎手C.ルメール
通算成績15戦11勝 [11-2-1-1]
主な勝鞍ジャパンカップ (G1) 2回
天皇賞・秋 (G1) 2連覇
牝馬三冠 (桜花賞、オークス、秋華賞)
ドバイターフ (G1)、ヴィクトリアM (G1)

PEDIGREE

FATHER
ロードカナロア
(日本) 2008
キングカメハメハ
レディブラッサム
×
MOTHER
フサイチパンドラ
(日本) 2003
サンデーサイレンス
ロッタレース

父は世界を制した「龍王」短距離王、母はオークス2着・エリザベス女王杯勝ちの名牝。スピードの権化とスタミナの結晶が究極の配合で結実し、あらゆる距離を支配する「完壁なサラブレッド」が誕生した。

CAREER RECORD

全レース成績

TOTAL: 15 RUNS11 - 2 - 1 - 1
DATERACE NAMECOURSE / DIST.JOCKEYRESULT
2020.11.29ジャパンカップ (G1)東京 / 芝2400mC.ルメール1st
2020.11.01天皇賞・秋 (G1)東京 / 芝2000mC.ルメール1st
2020.06.07安田記念 (G1)東京 / 芝1600mC.ルメール2nd
2020.05.17ヴィクトリアマイル (G1)東京 / 芝1600mC.ルメール1st
2019.12.22有馬記念 (G1)中山 / 芝2500mC.ルメール9th
2019.10.27天皇賞・秋 (G1)東京 / 芝2000mC.ルメール1st
2019.06.02安田記念 (G1)東京 / 芝1600mC.ルメール3rd
2019.03.30ドバイターフ (G1)メイダン / 芝1800mC.ルメール1st
2018.11.25ジャパンカップ (G1)東京 / 芝2400mC.ルメール1st
2018.10.14秋華賞 (G1)京都 / 芝2000mC.ルメール1st
2018.05.20優駿牝馬 (G1)東京 / 芝2400mC.ルメール1st
2018.04.08桜花賞 (G1)阪神 / 芝1600mC.ルメール1st
2018.01.08シンザン記念 (G3)京都 / 芝1600m戸崎圭太1st
2017.10.082歳未勝利東京 / 芝1600mC.ルメール1st
2017.08.062歳新馬新潟 / 芝1400mC.ルメール2nd
CAREER HIGHLIGHTS

女王の覚醒

01
Oka Sho
7-13
2018.04.08 / 阪神 1600m

THE BEGINNING

第78回 桜花賞

後方待機から迎えた直線、大外から放たれた衝撃の末脚。先に抜け出したライバルを、異次元の加速であっさりと飲み込んだ。上がり3ハロン33秒2。三冠への幕開けを告げる、完璧なまでの戴冠劇だった。

TIME
1:33.1
LAST 3F
33.2
02
Japan Cup 2018
1
2018.11.25 / 東京 2400m

WORLD RECORD

第38回 ジャパンカップ

3歳牝馬の身で挑んだ古馬との頂上決戦。キセキが刻んだ超ハイペースを好位で追走し、直線で次元の違う加速を見せた。2分20秒6。従来の記録を1.5秒も更新した衝撃の世界レコードは、彼女を世界の主役へと押し上げた。

1着 アーモンドアイ2着 キセキ
03
Tenno Sho Autumn 2020
8-9
2020.11.01 / 東京 2000m

THE EIGHTH

第162回 天皇賞(秋)

シンボリルドルフ、ディープインパクト、キタサンブラック。歴代の伝説たちが超えられなかった「芝G1・7勝」の壁。彼女は東京の直線を泥臭く、そして力強く駆け抜け、史上初となる8冠の金字塔を打ち立てた。

RECORD
8 Wins
STATUS
Legend
04
Japan Cup 2020
2
2020.11.29 / 東京 2400m

FINAL MAJESTY

第40回 ジャパンカップ

コントレイル、デアリングタクト。三冠馬3頭が相まみえた世紀の一戦。引退レースとなる女王は、若き三冠馬たちを寄せ付けない圧倒的な走りで9つ目の栄冠を手にした。女王は女王のまま、最も美しい姿でターフを去った。

1着 アーモンドアイ2着 コントレイル
DATA ANALYTICS

異次元の
2分20秒6

2018年のジャパンカップ。彼女が刻んだそのタイムは、物理的な限界すら超えたと言われた。従来のレコードを一気に1.5秒も更新。3歳牝馬が2400mの距離をこの時計で走り抜けた事実は、世界中のホースマンに戦慄を与えた。この「2分20秒台」という領域は、日本競馬の進化を象徴する究極の指標である。

2:20.6

WORLD RECORD

2400m 走破時計

※2018 ジャパンカップ

TIME COMPARISON

歴史を塗り替えた驚愕の差
PREVIOUS RECORD (2005)2:22.1
CONVENTIONAL
ALMOND EYE (2018)2:20.6
UNMATCHED ZONE
TIME REDUCTION-1.5s
TOTAL GAP
タイム短縮幅(秒)
ALMOND EYE
彼女に乗るときはプレッシャーがありますが、
そのプレッシャーが好きでした。彼女を愛しています。
主戦騎手 C.ルメール
2020年 天皇賞(秋)勝利後インタビューより
私にとっても奇跡の馬。
すべてのホースマンの夢の結晶といってもいい。
調教師 国枝栄
顕彰馬選出時の記者会見にて
FAN VOICES

ファンからの声

A

最後のジャパンカップ、三冠馬3頭の叩き合いで突き放したあの姿。強すぎて笑いが出るレベルでした。これほど「負ける姿が想像できない」牝馬は後にも先にも彼女だけでしょう。

S

現地で見た世界レコード。掲示板に「2:20.6」と出た瞬間、スタンドが静まり返った後に爆発的な歓声が上がったのを覚えています。歴史の目撃者になれたことは一生の誇りです。

M

ル道ルフの7冠を超えたあの涙。ルメール騎手の感情が溢れ出したシーンに、テレビの前で一緒に泣きました。完璧な馬が、泥臭く記録に挑んだあの姿に心を打たれました。

BEHIND THE SCENES

秘蔵エピソード

絶対女王が見せた、意外な素顔と厩舎の物語

01

厩舎の恋のキューピット

アーモンドアイが厩舎内で「恋のキューピット」の役割を果たしていたという微笑ましい裏話がある。担当スタッフたちの縁を結び、結婚へと導いたというエピソードは、殺気立つ勝負の世界において、彼女がいかに周囲を温かい空気で包み込んでいたかを物語っている。ファンからは親愛を込めて「アザトカワイイ」とも称された彼女らしい物語だ。

02

「触らないで!」の意志の強さ

普段は非常に賢く、人の指示を理解する彼女だが、体を触られることに関しては非常に強いこだわりを持っていた。特に検査や治療で体に触れようとすると、凄まじい力で抵抗したという。スタッフは「その時の力は、レースの末脚と同じくらい強烈だった」と振り返る。そのプライドの高さこそが、ターフでの譲れない強さに繋がっていたのかもしれない。

Gran Alegria
THE ARCHRIVAL
DESTINY

GRAN ALEGRIA

グランアレグリア

アーモンドアイが「最強」であり続けるために立ちはだかった、マイルの絶対女王。2020年安田記念。8冠という大記録を前にしたアーモンドアイの前に、1年後輩のグランアレグリアが圧倒的な加速力で立ちはだかった。

短距離〜マイルに特化したグランアレグリアと、あらゆる距離を支配するオールラウンダーのアーモンドアイ。適性は異なれど、同じ時代に生まれた天才牝馬同士の激突は、日本競馬のレベルを世界へと引き上げた。

最初で最後の直接対決での敗北。しかし、その屈辱があったからこそ、秋の天皇賞、そしてジャパンカップでの「伝説の完結」はより一層の輝きを放つことになったのである。

2020安田記念
2ndアーモンドアイ
vs
1stグランアレグリア

九冠を抱いた瞳

九冠を抱いた瞳

アーモンドアイ。その名の由来となった、美しく大きな瞳が見つめていたのは、誰も到達したことのない未踏の地だった。芝G1九冠。それは単なる数字の羅列ではない。彼女が走り抜けた15戦、その一歩一歩が日本競馬の歴史を塗り替え、私たちの常識を覆し続けた軌跡である。

敗北から始まった物語

物語の始まりは、意外にも敗北だった。2017年8月、新潟のデビュー戦。後に国枝調教師が「一生の悔い」と語るほどの選択ミスにより、彼女は2着に敗れる。しかし、その敗北が主戦ルメール騎手に「この馬は次は絶対に勝つ」という確信を与えた。春のクラシック、桜の舞台で見せた大外一気の加速は、まさに女王誕生の産声だった。オークス、秋華賞。牝馬三冠を盤石の強さで成し遂げた彼女は、そのわずか1ヶ月後、世界を驚愕させることになる。

2分20秒6の衝撃

2018年ジャパンカップ。世界レコードを1.5秒更新するという、科学の限界を超えたような時計。キセキが作った殺人的なハイペースを事もなげに追走し、直線で突き抜けたあの姿は、彼女がもはや日本の牝馬という枠に収まらない存在であることを示した。ドバイでの圧勝、天皇賞での連覇。順風満帆に見えたキャリアにも、有馬記念での大敗や、安田記念での惜敗という影が差したこともあった。しかし、彼女は倒れるたびに、より強くなって戻ってきた。

「愛」が溢れたラストダンス

2020年秋、天皇賞。芝G1・8勝目という金字塔を打ち立てた直後、クールなルメール騎手が人目を憚らず流した涙。それは、完璧すぎる相棒への深い敬愛と、終わりの始まりを告げる惜別の情だった。そして引退レースとなったジャパンカップ。そこには無敗の三冠牡馬コントレイル、無敗の三冠牝馬デアリングタクトがいた。世代交代を望む声もあったが、女王はそれを許さなかった。力強く、凛々しく、後続を突き放したその背中は、最後まで「最強」であり続ける者の威厳に満ちていた。

「彼女とのラブストーリーが終わるのはさみしい。彼女を愛しています」
――C.ルメール

引退後、彼女は母となった。そして2024年、世界最強馬イクイノックスとの間に新たな命を授かった。黄金の血脈は次代へと受け継がれ、彼女が見つめた景色の続きを、いつかその子が教えてくれるだろう。九つの冠を抱いた女王、アーモンドアイ。彼女がターフに残した美しき蹄跡は、日本競馬が存在する限り、永遠に語り継がれる神話となる。