Shahryar

The VoyagerShahryar

「10センチの差」が、
歴史を、そして世界を動かした。

PROFILE

生誕2018.04.13
調教師藤原英昭 (栗東)
主戦騎手福永祐一 / C.デムーロ
通算成績18戦4勝 [4-3-4-7]
主な勝鞍東京優駿 (G1)
ドバイシーマクラシック (G1)
毎日杯 (G3)

PEDIGREE

FATHER
ディープインパクト
(日本) 2002
サンデーサイレンス
ウインドインハーヘア
×
MOTHER
ドバイマジェスティ
(米) 2005
Essence of Dubai
Great Majesty

父は日本が誇る至宝ディープインパクト、母は米G1馬。全兄アルアインは皐月賞馬という超良血。華奢で小柄な体躯に、父譲りの瞬発力と母系のタフさを宿した「空飛ぶダービー馬」の血統背景。

CAREER RECORD

全レース成績

TOTAL: 18 RUNS4 - 3 - 4 - 7
DATERACE NAMECOURSE / DIST.JOCKEYRESULT
2024.12.22有馬記念 (G1)中山 / 芝2500mC.デムーロ2nd
2024.11.02BCターフ (G1)デルマー / 芝2400mC.デムーロ3rd
2024.08.18札幌記念 (G2)札幌 / 芝2000m武豊5th
2024.03.30ドバイシーマC (G1)メイダン / 芝2410mC.デムーロ2nd
2023.12.24有馬記念 (G1)中山 / 芝2500m松山弘平5th
2023.11.04BCターフ (G1)サンタアニタ / 芝2400mC.デムーロ3rd
2023.08.20札幌記念 (G2)札幌 / 芝2000m横山武史11th
2023.03.25ドバイシーマC (G1)メイダン / 芝2410mC.デムーロ5th
2022.11.27ジャパンカップ (G1)東京 / 芝2400mC.デムーロ2nd
2022.10.30天皇賞・秋 (G1)東京 / 芝2000mC.デムーロ5th
2022.06.15プリンスオブウェールズS (G1)アスコット / 芝1990mC.デムーロ4th
2022.03.26ドバイシーマC (G1)メイダン / 芝2410mC.デムーロ1st
2021.11.28ジャパンカップ (G1)東京 / 芝2400m川田将雅3rd
2021.09.26神戸新聞杯 (G2)中京 / 芝2200m福永祐一4th
2021.05.30東京優駿 (G1)東京 / 芝2400m福永祐一1st
2021.03.27毎日杯 (G3)阪神 / 芝1800m川田将雅1st
2021.02.14共同通信杯 (G3)東京 / 芝1800m福永祐一3rd
2020.10.252歳新馬京都 / 芝1800m福永祐一1st
CAREER HIGHLIGHTS

航路の記憶

01
Tokyo Yushun
5-10
2021.05.30 / 東京 2400m

THE DETERMINATION

第88回 東京優駿

1番人気エフフォーリアとの壮絶な叩き合い。直線、残り100mで繰り出した父譲りの末脚が、わずか10センチだけ先にゴール板を捉えた。毎日杯からの直行、そしてダービーレコード更新。歴史の常識を覆し、黄金世代の頂点に立った瞬間だった。

TIME
2:22.5
LAST 3F
33.4
02
Dubai Sheema Classic
12
2022.03.26 / メイダン 2410m

OVERSEAS GLORY

ドバイシーマクラシック

「日本ダービー馬は海外G1を勝てない」というジンクスを、ドバイの夜風と共に切り裂いた。強豪ユビアーを競り落とし、掴み取った世界の頂。日本の至宝が「世界のシャフリヤール」へと羽ばたいた、歴史的な遠征となった。

1着 シャフリヤール2着 ユビアー
03
Breeders' Cup Turf
1
2023.11.04 / サンタアニタ 2400m

THE VOYAGER

BCターフ

喉の手術を乗り越え、不屈の精神で挑んだアメリカの地。欧米の猛者たちが集う最高峰の舞台で、直線しぶとく伸びて3着を確保。そのタフな走りは、単なるエリートではない、真の勝負師としての格を見せつけた。

RANK
3rd
VENUE
USA
04
Arima Kinen
16
2024.12.22 / 中山 2500m

ETERNAL RESISTANCE

第69回 有馬記念

引退レース、試練の大外16番枠。それでも彼は諦めなかった。直線、全盛期を彷彿とさせる鋭い伸び脚で先頭を脅かし、ハナ差の2着。勝利こそ逃したが、黄金世代最後の戦士が見せた意地は、見る者全ての魂を震わせた。

1着 レガレイラ2着 シャフリヤール
DATA ANALYTICS

驚異の
ダービーレコード

2021年の日本ダービー。彼は究極のスピードとスタミナが要求される東京2400mを、2分22秒5というタイムで駆け抜けた。これは従来の記録を塗り替える歴史的レコード。小柄な馬体に秘められた爆発的なエネルギー効率は、ディープインパクト産駒の中でも最高傑作の一つに数えられる。

2:22.5

RACE RECORD

2400m 走破時計

※2021 日本ダービー

DERBY HISTORY

頂点を極めたスピード
PREVIOUS RECORD2:22.6
2019 RESULT
SHAHRYAR (2021)2:22.5
NEW RECORD
TIME DIFFERENCE-0.1s
MARGIN
記録更新幅
SHAHRYAR
最後の100メートルで、
彼の底力が出てくれた。
主戦騎手 福永祐一
ダービー勝利後インタビューより
2歳の時に乗った瞬間、
「ものが違う」と確信した。
調教師 藤原英昭
管理馬への評価
FAN VOICES

ファンからの声

S

あのエフフォーリアを差し切った一瞬、時が止まったようでした。10cmの差に込められた執念。あれこそがダービーだと。一生忘れません。

W

深夜、ドバイでの勝利に叫びました。日本ダービー馬の誇りを世界に見せつけてくれた。彼は僕たちにとっての「空飛ぶ英雄」です。

A

最後の大外枠からの激走。負けたけど、一番強かった。6歳まで一線級で走り続けた彼の姿に、本当の勇気をもらいました。ありがとう。

BEHIND THE SCENES

秘蔵エピソード

鋼の意志を秘めた、世界を駆ける旅人の素顔

01

444kgの小さな巨人

デビュー当時の馬体重はわずか444kg。三冠馬オルフェーヴルと並ぶ小柄な体躯。食が細くスタッフを困らせることもあったが、ひとたびコースに出ればその全身はバネのようにしなり、誰よりも大きく見えたという。華奢な外見に反した強靭な精神力が、彼の最大の武器だった。

02

11万キロを飛んだダービー馬

ドバイ、イギリス、アメリカ、そして日本。キャリアの半分近くを海外遠征に費やした彼の総移動距離は、地球2周半を超える約11万km。厳しい輸送にも耐え、環境に動じない。担当助手が「人間をからかう余裕がある」と語るほどの賢さが、この空前絶後の航海を支えていた。

Efforia
THE ARCHRIVAL
DESTINY

EFFORIA

エフフォーリア

2021年、日本中がその無敗制覇を確信していた天才、エフフォーリア。彼という高すぎる壁がいたからこそ、シャフリヤールの輝きは不滅のものとなった。

皐月賞を圧勝した宿敵を、ダービーの直線で真っ向から迎え撃つ。最後、10センチだけ前に出た瞬間。それは二頭の運命が交錯し、日本競馬史に刻まれる「黄金世代」の伝説が幕を開けた瞬間でもあった。

片や国内を制圧し、片や世界を渡り歩く。歩んだ道は違えど、二頭は常に互いを高め合う存在だった。

2021東京優駿
1stシャフリヤール
vs
2ndエフフォーリア

黄金の航路を越えて

黄金の航路を越えて

サラブレッドの宿命は、走ること、そして勝つこと。しかしシャフリヤールという馬が残した足跡は、勝利という言葉だけでは到底語り尽くせない。彼は、日本のホースマンたちが夢にまで見た「世界の果て」をその眼差しに映し、実際にその蹄で踏みしめた、希代の冒険家だった。

10センチの先に見た、世界

すべては、あの初夏の東京競馬場から始まった。エフフォーリアという怪物をハナ差で退けた10センチ。その僅かな距離が、彼を日本一の座へと押し上げた。しかし、シャフリヤールはそこで安住することを選ばなかった。藤原英昭調教師の「ものが違う」という確信に導かれ、彼は翼を広げた。海を越え、砂塵の舞うドバイへ。冷たい風の吹くアスコットへ。そして西海岸の陽光あふれるアメリカへ。日本ダービー馬としての誇りを胸に、彼は一度も下を向くことなく、世界中のターフを駆け抜けた。

不屈のボイジャー

順風満帆な旅路ではなかった。喉の疾患、二桁着順の惨敗。年齢と共に増していく肉体の負担。多くの馬が引退を考えるような逆境にあっても、彼は戦い続けた。喉の手術を経て復帰し、アメリカで見せた3着。そして6歳にして迎えた有馬記念での2着。死枠と呼ばれた16番枠から、まるで3年前のダービーを見ているかのような、鋭く、美しい末脚。その姿は「かつての王者」ではなく、今この瞬間も戦い続ける「現役の英雄」そのものだった。

伝説は、次の世代へ

18戦4勝。数字以上に、彼が日本競馬に与えた影響は計り知れない。「ダービー馬は、世界へ行ける」。彼が示したその道筋は、これから現れる全ての若駒たちの羅針盤となるだろう。通算獲得賞金は15億円を超え、ディープインパクト産駒としても歴代屈指の功績を残して、彼はついにその旅を終えた。ゴール板を駆け抜けるたび、私たちは彼に夢を見た。国境を越え、時代を超えて。シャフリヤールという名の「黄金の航路」は、これからも私たちの記憶の中で、どこまでも続いていく。

「彼はただの馬ではない。日本の誇りを世界へ運び続けた、真の旅人だった」
――競馬ファンの記憶より

さらば、空飛ぶダービー馬。君が見せた世界の景色を、私たちは決して忘れない。君が切り拓いたその先には、また新しい物語が待っているはずだ。