Contrail - The Triple Crown Hero
Contrail

The Destiny Contrail

「空に描いた、
父への誓い。」

PROFILE

生誕2017.04.01
調教師矢作芳人 (栗東)
主戦騎手福永祐一
通算成績11戦8勝 [8-2-1-0]
主な勝鞍 東京優駿 (G1)
菊花賞 (G1) 無敗三冠達成
皐月賞 (G1)
ジャパンカップ (G1)、ホープフルS (G1)

PEDIGREE

FATHER
ディープインパクト
(日本) 2002
サンデーサイレンス
ウインドインハーヘア
×
MOTHER
ロードクロサイト
(米) 2010
Unbridled's Song
Folklore

父は日本競馬の結晶、母系は米国のスピードの粋。育成初期に半年間の調教中断を余儀なくされながらも三冠を制したその資質は、父から受け継いだ天性のバネと「空を飛ぶ」と称された軽やかさの証明である。

CAREER RECORD

全レース成績

TOTAL: 11 RUNS 8 - 2 - 1 - 0
DATERACE NAMECOURSE / DIST.JOCKEYRESULT
2021.11.28ジャパンカップ (G1)東京 / 芝2400m福永祐一1st
2021.10.31天皇賞・秋 (G1)東京 / 芝2000m福永祐一2nd
2021.04.04大阪杯 (G1)阪神 / 芝2000m福永祐一3rd
2020.11.29ジャパンカップ (G1)東京 / 芝2400m福永祐一2nd
2020.10.25菊花賞 (G1)京都 / 芝3000m福永祐一1st
2020.09.27神戸新聞杯 (G2)中京 / 芝2200m福永祐一1st
2020.05.31日本ダービー (G1)東京 / 芝2400m福永祐一1st
2020.04.19皐月賞 (G1)中山 / 芝2000m福永祐一1st
2019.12.28ホープフルS (G1)中山 / 芝2000m福永祐一1st
2019.11.16東京スポーツ杯2歳S (G3)東京 / 芝1800mR.ムーア1st
2019.09.152歳新馬阪神 / 芝1800m福永祐一1st
CAREER HIGHLIGHTS

三冠、そして伝説へ

01
Tokyo Sports Hai 2yo S
1-1
2019.11.16 / 東京 1800m

THE GENESIS

第24回 東京スポーツ杯2歳S

衝撃のレコードタイム1分44秒5。従来の記録を大きく塗り替えたその瞬間、日本競馬界は新しい時代の幕開けを予感した。次元の違う加速力で後続を置き去りにした姿は、かつての父を彷彿とさせた。

TIME
1:44.5
STATUS
RECORD
02
Kikuka Sho
3
2020.10.25 / 京都 3000m

FATHER SON

第81回 菊花賞

アリストテレスの執拗なマークに遭いながらも、クビ差凌ぎ切った魂の粘り。史上3頭目の無敗三冠、そして世界初となる「父子での無敗三冠」という偉業。福永騎手が「ようやく出会えた」と語った運命の馬が、頂点へ立った。

1着 コントレイル 2着 アリストテレス
03
Japan Cup Final
2-2
2021.11.28 / 東京 2400m

LAST FLIGHT

第41回 ジャパンカップ

初の敗北、怪我との戦い。苦難の4歳シーズンを乗り越え、彼は自身の庭である東京の直線で再び翼を広げた。福永騎手の涙と、ファンの万雷の拍手。父と同じ場所で、同じ勝利を飾り、空の彼方へと駆け抜けた。

TIME
2:24.7
G1 WINS
5 TITLES
DATA ANALYTICS

衝撃の
2歳コースレコード

2019年、東京スポーツ杯2歳S。彼はまだ2歳とは思えない異次元のスピードを見せつけた。叩き出したタイムは1分44秒5。従来の記録を1.1秒も更新する驚異的な数字は、後に無敗三冠を成し遂げる天才の、真の覚醒を告げる咆哮だった。

1:44.5

COURSE RECORD

2歳 1800m 走破時計

※2019 東京スポーツ杯2歳S

RECORD BREAKING

次元を超えたスピード
PREVIOUS RECORD1:45.6
PAST BEST
CONTRAIL (2019)1:44.5
NEW ERA
TIME DIFFERENCE-1.1s
HUGE GAP
タイム短縮幅
CONTRAIL
夢のような時間でした。
ジョッキー人生の全てを注ぎ込んだ。
主戦騎手 福永祐一
引退式スピーチより
コントレイルは神様からの授かり物。
日本競馬の宝です。
調教師 矢作芳人
引退記者会見にて
FAN VOICES

ファンからの声

A

コロナ禍で外出もままならない中、彼の無敗三冠達成には本当に勇気をもらいました。ディープインパクトの息子が同じ夢を見せてくれるなんて、競馬を続けていて良かったです。

S

引退レースのジャパンカップ。福永騎手がゴール後にコントレイルの首を撫でながら涙を流したシーン。あの日、東京競馬場にいた全員が泣いていたと思います。最高のラストランでした。

M

東スポ杯の時計を見た瞬間、椅子から転げ落ちそうになりました。あの時確信しましたね、この馬は父を超えるかもしれない特別な存在なんだと。その後の活躍はご存知の通りです。

BEHIND THE SCENES

秘蔵エピソード

最強の三冠馬が見せた、愛らしくも人間味あふれる一面

01

注射だけは大の苦手

どんな重圧にも動じず、ライバルからの執拗なマークにも耐え抜く精神力を持つ彼だが、意外な弱点があった。それは「注射」。厩舎スタッフによると、獣医が近づくだけで敏感に察知し、嫌がって逃げ回るという。世界を制した三冠馬の子供のような一面に、関係者も思わず笑みがこぼれたという。

02

空白の半年間を越えて

実は育成初期、体質や体調の関係で半年近くも本格的なトレーニングを積めない時期があった。矢作調教師も「これほど強いとは思わなかった」と語るほど、その期間は順風満帆ではなかったのだ。その遅れを跳ね除け、デビューから無傷で頂点まで駆け上がった事実は、彼の才能がいかに超越していたかを物語る。

Almond Eye
THE EMPRESS
DESTINY

ALMOND EYE

アーモンドアイ

無敗の三冠馬が初めて「敗北」を知った日。2020年ジャパンカップ、そこには最強の女王アーモンドアイが立ちはだかっていた。世代を超えた三冠馬同士の激突。死力を尽くした追い上げも、女王の盤石な走りにあと一歩届かなかった。

しかし、この敗北こそがコントレイルをより強く、より高貴な存在へと昇華させた。女王から次代の王へ。あの直線で交わした無言の対話は、日本競馬の至宝が受け継がれた瞬間でもあった。

2020JAPAN CUP
2ndコントレイル
vs
1stアーモンドアイ

空に描いた、絆の物語

空に描いた、絆の物語

コントレイル——その名は「ひこうき雲」を意味する。父ディープインパクトが空を飛ぶように走った記憶を、空に残された軌跡のように継承していく。そんな願いを込めて名付けられた少年は、やがて日本競馬の歴史そのものを塗り替える「王」へと成長した。

亡き父への、最高の報告

2019年、父ディープインパクトはこの世を去った。その直後に頭角を現したのが、最高傑作と名高いコントレイルだった。無敗のまま皐月賞、日本ダービーを制し、迎えた菊花賞。アリストテレスとの壮絶な叩き合いは、単なるレース以上の何かを感じさせた。執拗なマークに苦しみながらも、最後は根性で差し切ったその姿。それは、父が成し遂げた「無敗三冠」という神域に、息子が自らの力で辿り着いた瞬間だった。

コロナ禍に差した、一筋の光

彼が走った2020年は、世界が未曾有の危機に揺れた年でもあった。無人のスタンド、静まり返った競馬場。しかし、テレビの画面越しに映る彼の走りは、沈んでいた日本中のファンに熱狂と希望を与えた。人々が直接集まることができない時代に、彼は「競馬」という文化の灯を守り続けた。父子二代での無敗三冠という、かつて誰も想像し得なかった奇跡を現実のものにすることで、彼は暗い世相を切り裂くひこうき雲となったのだ。

涙のラストフライト

無敗の快進撃の後に待っていたのは、最強牝馬アーモンドアイへの敗北、そして怪我との孤独な戦いだった。4歳シーズンの彼は、苦しんでいた。勝てない日々が続き、一部からは心ない声も飛んだ。しかし、陣営は諦めなかった。最後の舞台に選んだのは、かつて敗れたジャパンカップ。直線、福永騎手の合図に応えて彼が加速した時、かつての「飛ぶ走り」が蘇った。他馬を圧倒し、先頭で駆け抜けたゴール板。ルメール騎手さえも祝福の拍手を送る中、福永騎手の頬を伝った涙。それは、重圧から解放された安堵と、愛馬への無限の感謝が混ざり合った、競馬史に残る美しい涙だった。

「彼は僕の人生の全てを変えてくれた。これ以上の馬には、もう出会えないかもしれない」
――福永祐一

現在、コントレイルは種牡馬として、父ディープインパクトがそうであったように、次世代へその血を繋いでいる。彼が空に描いた軌跡は、決して消えることはない。ひこうき雲が消えた後も、私たちは青空を見上げるたびに思い出すだろう。父を超えようと足掻き、世界に希望を与え、そして完璧な姿でターフを去った、あの誇り高き三冠馬の姿を。