Satono Crown

The CrownSatono Crown

「血統」の常識を
その豪脚で覆した。

PROFILE

生誕2012.03.10
調教師堀宣行 (美浦)
主戦騎手M.デムーロ / J.モレイラ
通算成績20戦7勝 [7-1-1-11]
主な勝鞍香港ヴァーズ (G1)
宝塚記念 (G1)
京都記念 (G2) 2連覇
弥生賞 (G2)、東スポ杯2歳S (G3)

PEDIGREE

FATHER
マルジュ
(愛) 1988
Last Tycoon
Flame of Tara
×
MOTHER
ジョコンダII
(愛) 2003
Rossini
La Joconde

父は欧州の名種牡馬、母も愛国産という純洋風の血統構成。サンデーサイレンスの血を一滴も持たない「非主流」の配合ながら、ノーザンダンサーの濃密なクロスが、日本の馬場でも通用するパワーと、世界を制する底力を生み出した。

CAREER RECORD

全レース成績

TOTAL: 20 RUNS7 - 1 - 1 - 11
DATERACE NAMECOURSE / DIST.JOCKEYRESULT
2018.11.25ジャパンカップ (G1)東京 / 芝2400mW.ビュイック9th
2018.06.24宝塚記念 (G1)阪神 / 芝2200m石橋脩12th
2018.03.31ドバイシーマC (G1)メイダン / 芝2410mJ.モレイラ7th
2017.12.24有馬記念 (G1)中山 / 芝2500mR.ムーア13th
2017.11.26ジャパンカップ (G1)東京 / 芝2400mM.デムーロ10th
2017.10.29天皇賞・秋 (G1)東京 / 芝2000mM.デムーロ2nd
2017.06.25宝塚記念 (G1)阪神 / 芝2200mM.デムーロ1st
2017.04.02大阪杯 (G1)阪神 / 芝2000mM.デムーロ6th
2017.02.12京都記念 (G2)京都 / 芝2200mM.デムーロ1st
2016.12.11香港ヴァーズ (G1)シャティン / 芝2400mJ.モレイラ1st
2016.10.30天皇賞・秋 (G1)東京 / 芝2000m福永祐一14th
2016.06.26宝塚記念 (G1)阪神 / 芝2200m岩田康誠6th
2016.04.24QE2世C (G1)シャティン / 芝2000mZ.パートン12th
2016.02.14京都記念 (G2)京都 / 芝2200mM.デムーロ1st
2015.11.01天皇賞・秋 (G1)東京 / 芝2000mC.ルメール17th
2015.05.31日本ダービー (G1)東京 / 芝2400mC.ルメール3rd
2015.04.19皐月賞 (G1)中山 / 芝2000mC.ルメール6th
2015.03.08弥生賞 (G2)中山 / 芝2000m福永祐一1st
2014.11.24東スポ杯2歳S (G3)東京 / 芝1800mR.ムーア1st
2014.10.252歳新馬東京 / 芝1800m福永祐一1st
CAREER HIGHLIGHTS

逆襲の軌跡

01
Hong Kong Vase
4
2016.12.11 / シャティン 2400m

THE MAGIC

香港ヴァーズ

単勝1.3倍のハイランドリールが逃げ切りを図る絶体絶命の展開。しかし、J.モレイラに導かれた彼は、信じられない脚で猛追する。世界を驚愕させた逆転劇。「サトノ」の悲願を、異国の地で叶えた瞬間。

TIME
2:26.2
MARGIN
1/2 L
02
Takarazuka Kinen
8-11
2017.06.25 / 阪神 2200m

THE DOMINATION

第58回 宝塚記念

8戦ぶりの国内勝利は、最強馬キタサンブラックを力でねじ伏せる圧巻の内容だった。稍重の馬場を味方につけ、M.デムーロの檄に応えて外から突き抜ける。「道悪の鬼」が本領を発揮し、ついに国内の頂点へ。

1着 サトノクラウン2着 ゴールドアクター
03
Tenno Sho Autumn
1-2
2017.10.29 / 東京 2000m

THE RIVALRY

第156回 天皇賞(秋)

台風直撃の不良馬場。泥だらけになりながら、宿敵キタサンブラックとの一騎打ちを演じた。出遅れからの猛追、並びかけた直線。わずかクビ差届かなかったが、その闘志は勝者と同様に称えられた名勝負。

TIME
2:08.3
GAP
Neck
04
Tokyo Sports Hai
8-15
2014.11.24 / 東京 1800m

THE PROMISE

東京スポーツ杯2歳S

ゲート内で立ち上がり、発走調教再審査。場内がざわつく中でのスタートだったが、レースでは別馬のような冷静さで差し切り勝ち。R.ムーアが「将来が楽しみ」と評した、大器の片鱗を見せた一戦。

1着 サトノクラウン2着 アヴニールマルシェ
DATA ANALYTICS

世紀の
ジャイアントキリング

2016年の香港ヴァーズ。世界の競馬ファンは、凱旋門賞2着馬ハイランドリールの勝利を確信していた。 単勝オッズは圧倒的1番人気の1.3倍。対するサトノクラウンは19.5倍の伏兵扱い。 しかし、彼はその評価を実力で覆した。世界最強クラスの逃げ馬をゴール寸前で差し切る大金星は、日本馬の底力を世界に見せつけた。

19.5

WIN ODDS

単勝オッズ

※2016 香港ヴァーズ

THE GIANT KILLING

世界を驚かせた逆転劇
HIGHLAND REEL (FAVORITE) 1.3
FAVORITE
SATONO CROWN (WINNER) 19.5
BIG UPSET
RETURN ON INVESTMENT 15x
HIGH IMPACT
単勝倍率の比較
CROWN
彼は本当にG1馬だ。
この地面が彼に合っている。
僕は彼に絶対の自信を持っていた。
主戦騎手 M.デムーロ
2017年 宝塚記念後
物理的な変化ではなく、
メンタルの成熟が
大きな違いをもたらした。
調教師 堀宣行
香港ヴァーズ勝利後
FAN VOICES

ファンからの声

H

香港ヴァーズ、テレビの前で絶叫しました。あのハイランドリールを差し切るなんて信じられない。 モレイラの神騎乗とクラウンの勝負根性が噛み合った最高のレースでした。

K

宝塚記念、やっぱり道悪のサトノクラウンは強かった。 キタサンブラックが沈む中、外から力強く伸びてきた姿に感動。 ダービーでの雪辱をようやく晴らせた気がして涙が出ました。

S

あの不良馬場の天皇賞秋。負けはしたけど、一番強い競馬をしたのはサトノクラウンだと思う。 出遅れからあの位置まで追い上げた根性は本物。名勝負をありがとう。

BEHIND THE SCENES

秘蔵エピソード

大舞台で見せた強さの裏に、意外なドラマがあった

01

再審査からの栄光

重賞初制覇となった東スポ杯2歳S。しかし、その直前には危機があった。 ゲート内で3度も立ち上がり、場内は騒然。通常なら能力発揮は難しい精神状態だ。 後日、発走調教再審査の処分を受けたほどの荒ぶりだったが、レースでは中団から冷静に差し切り勝ち。 R.ムーア騎手に「将来が楽しみ」と言わしめた、大器の片鱗と危うさが同居した瞬間だった。

02

メンタルの成熟

3歳時のクラシックでは期待を背負いながらも敗れ続けた。 しかし、堀調教師は諦めなかった。「物理的な変化ではなく、メンタルが変わった」 その言葉通り、古馬になってからの彼は精神的にタフになった。 香港、そして宝塚記念。苦しい場面でもひるまないその精神力は、 陣営が長い時間をかけて育んだ信頼関係の証だった。

Kitasan Black
THE ARCHRIVAL
DESTINY

KITASAN BLACK

キタサンブラック

同期にして、最大の壁。 王道を歩む国民的アイドルホース・キタサンブラックに対し、 非主流の血統で我が道を行くサトノクラウン。

2017年、大阪杯では完敗。しかし宝塚記念では、雨中の激闘を制して雪辱を果たす。 そして迎えた天皇賞(秋)。極悪馬場の中、二頭だけで演じた壮絶なマッチレース。 クビ差で敗れはしたが、あの泥だらけの攻防は、両者が互いの強さを認め合った瞬間だった。

太陽のようなキタサンブラックと、嵐を呼ぶサトノクラウン。 対照的な二頭のライバル関係は、2010年代後半の競馬シーンを熱く焦がした。

2017 天皇賞(秋)
2nd サトノクラウン
vs
1st キタサンブラック

異端の王道

異端の王道

日本競馬において、サンデーサイレンスの血を持たないことは「異端」であることを意味するかもしれない。 しかし、サトノクラウンは自らの蹄で、その血統の正しさを証明し続けた。 デビューからの3連勝、そしてクラシックでの挫折。 早熟と思われた天才は、苦難の時を経て、真の強さを手に入れた晩成の王へと変貌を遂げた。

香港で魅せた「世界」の脚

彼のキャリアを語る上で欠かせないのが、2016年の香港ヴァーズだ。 相手は凱旋門賞2着の実績を持つ世界的強豪ハイランドリール。 誰もが「2着争い」を予想する中、サトノクラウンとJ.モレイラだけは勝利を諦めていなかった。 直線、遥か彼方にいた王者の背中を目がけて、彼は矢のように伸びた。 ゴール寸前での逆転劇。それは、日本馬が世界トップクラスの底力を持っていることを知らしめた歴史的瞬間だった。 「メンタルの成熟」――堀調教師の言葉通り、彼は心技体が噛み合った時、手がつけられない強さを発揮した。

雨ニモ負ケズ

そして、国内での悲願達成。2017年の宝塚記念。 降りしきる雨、渋った馬場。多くの馬が苦戦する中、彼にとってそこは独壇場だった。 M.デムーロ騎手に導かれ、力強く馬場を掻き込むその姿は、欧州血統の真骨頂。 最強馬キタサンブラックを完封し、ついに手にした国内G1のタイトル。 続く天皇賞(秋)でのキタサンブラックとの一騎打ちも含め、彼はタフな条件下でこそ輝く、孤高の戦士だった。

次代へ継がれる王冠

2018年のジャパンカップを最後にターフを去ったサトノクラウン。 しかし、彼の物語はそこで終わらなかった。 種牡馬となり、初年度産駒からタスティエーラを輩出。 自身が3着に涙を飲んだ日本ダービーを、息子が見事に制覇したのだ。 父が届かなかった栄光を、その血を受け継ぐ者が掴み取る。 これぞブラッド・スポーツ、競馬のロマンである。

「彼は困難な状況ほど強かった。逆境を跳ね返す力、それが彼の最大の武器だった」
――関係者の回想より

サンデーサイレンス系全盛の時代に、非主流の血統で世界と渡り合ったサトノクラウン。 その重厚な走りと不屈の闘志は、記録以上に記憶に残る名馬として、 これからも長く語り継がれていくことだろう。 その頭上に輝く王冠は、決して錆びることはない。