Meisho Samson

The Iron Will Meisho Samson

「雑草」と笑われた馬が、
英雄になるまでの物語。

PROFILE

生誕2003.03.07
調教師瀬戸口勉 / 高橋成忠 (栗東)
主戦騎手石橋守 / 武豊
通算成績27戦9勝 [9-7-2-9]
主な勝鞍 天皇賞・春 (G1)、秋 (G1)
日本ダービー (G1)
皐月賞 (G1)
大阪杯 (G2)、スプリングS (G2)

PEDIGREE

FATHER
オペラハウス
(英) 1988
Sadler's Wells
Colorspin
×
MOTHER
マイヴィヴィアン
(日本) 1997
ダンシングブレーヴ
フローラルマジック

父は欧州の重厚なスタミナ血統、母系は日本の古き良き在来牝系。 「重すぎる」と敬遠されがちな配合だが、そこには他を圧倒する「底力」と、泥臭く勝利をもぎ取る「勝負根性」が秘められていた。

CAREER RECORD

全レース成績(抜粋)

TOTAL: 27 RUNS 9 - 7 - 2 - 9
DATERACE NAMECOURSE / DIST.JOCKEYRESULT
2008.10.05凱旋門賞 (G1)ロンシャン / 芝2400m武豊10th
2008.05.04天皇賞・春 (G1)京都 / 芝3200m武豊2nd
2007.10.28天皇賞・秋 (G1)東京 / 芝2000m武豊1st
2007.06.24宝塚記念 (G1)阪神 / 芝2200m石橋守2nd
2007.04.29天皇賞・春 (G1)京都 / 芝3200m石橋守1st
2007.04.01大阪杯 (G2)阪神 / 芝2000m石橋守1st
2006.05.28日本ダービー (G1)東京 / 芝2400m石橋守1st
2006.04.16皐月賞 (G1)中山 / 芝2000m石橋守1st
2006.03.19スプリングS (G2)中山 / 芝1800m石橋守1st
2005.09.042歳未勝利小倉 / 芝1800m石橋守1st
CAREER HIGHLIGHTS

英雄への道程

01
Satsuki Sho
2-2
2006.04.16 / 中山 2000m

THE GRIT

第66回 皐月賞

混戦模様のクラシック第一弾。直線、一度はライバルにかわされかけたその瞬間、彼の真価が発揮された。 驚異的な勝負根性で差し返し、半馬身差をつけてゴール。 「雑草」と呼ばれた馬が、世代の頂点に立った瞬間だった。

TIME
1:59.9
MARGIN
1/2
02
Japan Derby
2
2006.05.28 / 東京 2400m

THE PROMISE

第73回 日本ダービー

雨上がりの府中。デビュー22年目、石橋守騎手の悲願を乗せて彼は走った。 直線で力強く抜け出すと、追いすがる後続を寄せ付けない。 ゴール後、鞍上の頬を伝った涙は、小倉デビューの安馬が起こした奇跡の証だった。

1着 メイショウサムソン 2着 アドマイヤメイン
03
Tenno Sho Autumn
1-1
2007.10.28 / 東京 2000m

THE EMPEROR

第136回 天皇賞(秋)

春の天皇賞を制し、迎えた秋の盾。 武豊騎手に導かれ、内ラチ沿いを完璧なコース取りで進む。 スピードが要求される東京2000mでも、そのパワーとスタミナで他馬を圧倒。 史上4頭目となる「天皇賞春秋連覇」の偉業を成し遂げた。

TIME
1:58.4
RECORD
4th HORSE
DATA ANALYTICS

奇跡の
ジャイアントキリング

取引価格わずか700万円。 血統も地味で、デビュー前は誰もが見向きもしなかった。 しかし、彼は自らの脚だけで10億6,594万円もの賞金を掴み取ってみせた。 投資額に対する回収率は約152倍。 エリートたちが集う近代競馬において、彼が成し遂げた「下克上」は、数字以上の希望を人々に与え続けている。

15200%

ROI RATE

回収率 約152倍

※取引価格 vs 獲得賞金

COST PERFORMANCE

夢を買うということ
AUCTION PRICE 7 MILLION
LOW COST
TOTAL EARNINGS 1,065 MILLION
LEGENDARY
G1 VICTORIES 4 WINS
CLASSIC & TENNO SHO
獲得賞金の大きさ
SAMSON
もう前の馬さえかわせば勝てると思った。
ゴールまでの距離が、3倍くらい長く感じました。
主戦騎手 石橋守
日本ダービー勝利インタビューより
競馬は夢を買うもの。
安い馬でも、愛情を持って育てればダービーを勝てる。
オーナー 松本好雄
メディア取材にて
FAN VOICES

ファンからの声

K

ダービーでの石橋騎手の男泣き。あれを見て泣かない競馬ファンはいません。 派手さはないけれど、愚直に頑張ってきた人馬が報われた瞬間。最高のドラマでした。

S

天皇賞・春の直線。一度は外から来られながら、そこからもうひと伸びするド根性。 「負けてたまるか」という馬の叫びが聞こえてくるようでした。本当に渋くて強い馬です。

M

小さな牧場で生まれた700万円の馬が、億越えのエリート馬を倒す。 こんな痛快なことはありません。メイショウサムソンは我々日高の誇りであり、希望の星です。

BEHIND THE SCENES

秘蔵エピソード

無骨な英雄の裏側にあった、運命的な物語

01

700万円のシンデレラ

父オペラハウス、母マイヴィヴィアンという血統は、当時のトレンドから見ればあまりに「地味」だった。 買い手がつかず、ある調教師には断られたという逸話も残る。 しかし、松本好雄オーナーは「良い顔をしている」とわずか700万円で購入を決断。 この出会いがなければ、後の二冠馬は誕生していなかったかもしれない。

02

偶然が生んだ名コンビ

デビュー時、陣営はトップジョッキーである武豊や福永祐一に騎乗を依頼したが、共に先約があり断られてしまう。 そこで白羽の矢が立ったのが、ベテラン石橋守騎手だった。 結果として、この巡り合わせが「いぶし銀の騎手とド根性馬」という、ファンに愛される名コンビを生むことになった。

Admire Moon
THE ARCHRIVAL
DESTINY

ADMIRE MOON

アドマイヤムーン

日高の家族経営牧場で生まれ、700万円で取引されたサムソン。 対するは、日本最大の生産組織ノーザンファームが生み出し、後に40億円もの評価額がついた天才アドマイヤムーン。

出自も、走りのスタイルも正反対。 しかし、二頭は同世代の頂点を争い、古馬王道路線で何度も激突した。 泥臭く食らいつくサムソンと、華麗に舞うムーン。 2007年の宝塚記念、意地とプライドがぶつかり合ったあの直線は、近代競馬史に残る名勝負として語り継がれている。

2007 宝塚記念
2nd メイショウサムソン
vs
1st アドマイヤムーン

雑草が英雄になった日

雑草が英雄になった日

スマートで洗練された血統馬たちがターフを席巻する現代において、 メイショウサムソンのような馬は、もう二度と現れないかもしれない。 泥臭く、不器用で、けれど誰よりも負けることを嫌った馬。 彼の走りは、私たちに「血統や値段だけが全てではない」という、シンプルだが力強い真実を教えてくれた。

誰からも期待されなかった始まり

北海道・浦河の小さな牧場で生まれた彼は、決してエリートではなかった。 父は欧州のスタミナ型、母系は日本の在来血統。スピード全盛の時代にあって、そのプロフィールはあまりに古風で重厚だった。 700万円という安値。デビュー戦での敗北。 華やかなスポットライトとは無縁の場所から、彼のキャリアは静かに始まった。 しかし、一戦ごとにその「重さ」は「強さ」へと変わり、無尽蔵のスタミナと類まれな勝負根性が開花していく。

涙の二冠、そして王者の風格へ

2006年、春。皐月賞で見せた脅威の差し返し。 そして迎えた日本ダービー。雨上がりの東京競馬場で、彼は世代の頂点に立った。 鞍上の石橋守騎手は、デビュー22年目にして掴んだ栄光に男泣きした。 「雑草」と笑われた人馬が成し遂げた快挙に、競馬場全体が温かい拍手と感動に包まれた日だった。 その後も彼は止まらなかった。古馬になり、最大の武器である「ド根性」を武器に、天皇賞・春と秋を連覇。 タマモクロス、スペシャルウィーク、テイエムオペラオーに続く史上4頭目の偉業を達成し、名実ともに時代の王者となった。

永遠に語り継がれる「ド根性」

アドマイヤムーン、ウオッカ、ダイワスカーレット。 強力なライバルたちとしのぎを削った激闘の日々。 勝つときも、負けるときも、彼は常に全力だった。 直線で並ばれれば噛みつきそうな闘志を見せ、苦しい展開でも決して諦めない。 その姿は、見る者の心を震わせ、勇気を与え続けた。

「本当に強い馬です。スタートからゴールまで、完璧だった」
――武豊(天皇賞・秋 勝利後インタビューより)

通算27戦9勝。獲得賞金10億円超。 日高の夢を背負い、雑草魂で駆け抜けたメイショウサムソン。 その「重厚な強さ」と「不屈の魂」は、記録よりも記憶に残る名馬として、 いつまでも私たちの胸の中で走り続けている。