Zenno Rob Roy

The Grand Slam Zenno Rob Roy

「英雄」への道は、
秋に開かれた。

PROFILE

生誕2000.03.27
調教師藤沢和雄 (美浦)
主戦騎手O.ペリエ / 横山典弘
通算成績20戦7勝 [7-6-4-3]
主な勝鞍 秋古馬三冠 (2004)
天皇賞・秋 (G1)
ジャパンカップ (G1)
有馬記念 (G1)

PEDIGREE

FATHER
サンデーサイレンス
(米) 1986
Halo
Wishing Well
×
MOTHER
ローミンレイチェル
(米) 1990
Mining
One Smart Lady

父は日本競馬を変革した大種牡馬、母は米G1バレリーナHの覇者。 世界的な良血の配合から生まれ、サンデーサイレンス系とミスタープロスペクター系のスピードが融合。晩成の成長力で見事に開花した。

CAREER RECORD

全レース成績

TOTAL: 20 RUNS 7 - 6 - 4 - 3
DATERACE NAMECOURSE / DIST.JOCKEYRESULT
2005.12.25有馬記念 (G1)中山 / 芝2500mK.デザーモ8th
2005.11.27ジャパンカップ (G1)東京 / 芝2400mK.デザーモ3rd
2005.10.30天皇賞・秋 (G1)東京 / 芝2000m横山典弘2nd
2005.08.16英インターナショナルS (G1)ヨーク / 芝2080m武豊2nd
2005.06.26宝塚記念 (G1)阪神 / 芝2200mK.デザーモ3rd
2004.12.26有馬記念 (G1)中山 / 芝2500mO.ペリエ1st
2004.11.28ジャパンカップ (G1)東京 / 芝2400mO.ペリエ1st
2004.10.31天皇賞・秋 (G1)東京 / 芝2000mO.ペリエ1st
2004.10.10京都大賞典 (G2)京都 / 芝2400m岡部幸雄2nd
2004.06.27宝塚記念 (G1)阪神 / 芝2200m田中勝春4th
2004.05.02天皇賞・春 (G1)京都 / 芝3200mD.オリヴァー2nd
2004.03.27日経賞 (G2)中山 / 芝2500m柴田善臣2nd
2003.12.28有馬記念 (G1)中山 / 芝2500m柴田善臣3rd
2003.10.26菊花賞 (G1)京都 / 芝3000mO.ペリエ4th
2003.09.28神戸新聞杯 (G2)阪神 / 芝2000mK.デザーモ1st
2003.06.01東京優駿 (G1)東京 / 芝2400m横山典弘2nd
2003.05.03青葉賞 (G2)東京 / 芝2400m横山典弘1st
2003.04.12山吹賞中山 / 芝2200m横山典弘1st
2003.03.02すみれS阪神 / 芝2200m横山典弘3rd
2003.02.093歳新馬中山 / 芝1600m横山典弘1st
CAREER HIGHLIGHTS

秋の覇道、三連勝

01
Tenno Sho Autumn
7-13
2004.10.31 / 東京 2000m

THE BEGINNING

第130回 天皇賞(秋)

1番人気に推されながらも、G1未勝利の重圧。 ゲートが開くとやや後手を踏んだが、名手ペリエは慌てなかった。 直線の真ん中、次元の違う末脚で馬群を割る。 粘るダンスインザムードを差し切り、ついに「善戦マン」の殻を破った覚醒の瞬間。

TIME
1:58.9
Last 3F
34.4
02
Japan Cup
6
2004.11.28 / 東京 2400m

THE DOMINATOR

ジャパンカップ

中3週の過酷なローテーションをものともせず、彼はさらに強くなっていた。 好位から抜け出すと、後続を突き放す一方の独走劇。 2着に3馬身差をつける圧勝。 世界にその名を知らしめた、彼のキャリアにおけるベストパフォーマンス。

1着 ゼンノロブロイ 2着 コスモバルク
03
Arima Kinen
1-1
2004.12.26 / 中山 2500m

THE LEGEND

第49回 有馬記念

史上2頭目の秋古馬三冠へ。立ちはだかったのは強豪タップダンスシチー。 ペリエ騎手は「ライバルは1頭」とマーク策に出る。 直線の激しい叩き合い。王者の意地が勝り、半馬身抜け出したところがゴールだった。 一年を締めくくる、レコードタイムでの伝説達成。

TIME
2:29.5
RECORD
Course Rec
DATA ANALYTICS

不滅の
有馬記念レコード

2004年の有馬記念で記録された2分29秒5というタイムは、 中山競馬場芝2500mのコースレコードとして、20年以上経った今も破られていない。 激しい競り合いが生んだ極限のペース、そしてそれを最後まで維持したスタミナ。 ディープインパクトやキタサンブラックでさえ届かなかったこの数字は、彼の強さが「本物」であったことの動かぬ証拠である。

2:29.5

COURSE RECORD

中山 2500m

※2024年現在も保持中

HISTORICAL TIME

20年破られない壁
AVERAGE G1 WINNER 2:32.0
STANDARD
ZENNO ROB ROY (2004) 2:29.5
UNTOUCHABLE
TIME DIFFERENCE -2.5s
HUGE MARGIN
驚異的な短縮
ROB ROY
ライバルはタップダンスシチー1頭。
そう決めて乗った。彼は完璧に応えてくれた。
主戦騎手 O.ペリエ
有馬記念勝利後
今までで一番うれしかった。
辛抱強く鍛えた成果が、遂に実を結んだんだ。
調教師 藤沢和雄
三冠達成時のインタビューより
FAN VOICES

ファンからの声

S

地味だなんて言わせない。あの有馬記念の強さは本物だった。 ペリエとのコンビは最強。秋の3連勝は文句なしに強かった。

Y

毎年有馬記念が来るたびに、ゼンノロブロイのレコードの凄さを思い知る。 2分29秒5。この数字を超える馬はいつ現れるのだろうか。

K

物静かな文学少女のイメージだったけど、史実を知って驚愕。 王道中の王道を突き進んだ英雄だったんですね。訃報を聞いて涙が出ました。

BEHIND THE SCENES

秘蔵エピソード

ストイックな調教師と名手、そして晩成の天才が紡いだ物語

01

藤沢調教師の「初めて」

「馬を褒めてほしいから、自分は口取り式(記念撮影)には出ない」 そう公言していた名伯楽・藤沢和雄調教師。 しかし、秋古馬三冠を達成した有馬記念では、ついに口取りに姿を現した。 「今までで一番うれしかった」と語る師の笑顔は、 体質の弱かったロブロイを丹念に育て上げた達成感に満ちていた。

02

祝福のハイタッチ

天皇賞(秋)のゴール直後、心温まるシーンがあった。 勝利したゼンノロブロイのペリエ騎手と、2着に敗れたダンスインザムードのルメール騎手が、 馬上でハイタッチを交わしたのだ。 実は2頭とも藤沢厩舎の管理馬。 チーム一丸となって掴んだワンツーフィニッシュを、世界的名手二人が祝福した瞬間だった。

Tap Dance City
THE RIVAL
DESTINY

TAP DANCE CITY

タップダンスシチー

秋古馬三冠の最終関門・有馬記念。 そこに立ちはだかったのは、凱旋門賞帰りの古豪タップダンスシチーだった。

「この馬さえ封じれば勝てる」 ペリエ騎手はそう確信し、徹底的なマーク策をとった。 逃げるタップ、追うロブロイ。中山の直線、死力を尽くした二頭のマッチレースは、 競馬史に残る名勝負となった。

最強のライバルがいたからこそ、最強のレコードが生まれたのだ。

2004 有馬記念
1st ゼンノロブロイ
vs
2nd タップダンスシチー

静かなる英雄の凱歌

静かなる英雄の凱歌

派手なパフォーマンスもなければ、圧倒的なカリスマ性でファンを熱狂させるタイプでもなかったかもしれない。 しかし、2004年の秋、日本の競馬シーンを完全に支配したのは、漆黒の馬体のゼンノロブロイだった。 テイエムオペラオー以来、史上2頭目となる秋古馬三冠達成。 その偉業は、静かに、しかし力強く、競馬史に刻まれている。

善戦マンからの脱却

エリート街道を歩んできたわけではない。 3歳時はダービー2着、菊花賞4着。4歳春も天皇賞・春2着など、常に「あと一歩」が届かなかった。 体質が弱く、デビューも遅れた。 それでも藤沢和雄調教師は焦らなかった。「10回の調教より1回の実戦」。 その信念のもと、秋初戦の敗北さえも糧にし、彼は着実に力をつけていった。 そして迎えた天皇賞・秋。ついにその才能が開花する。 そこからの彼は、もう「善戦マン」ではなかった。絶対王者だった。

世界標準の強さ

中3週で挑んだジャパンカップでの圧勝劇。 そして、タップダンスシチーとの死闘を制した有馬記念。 特に有馬記念で叩き出した2分29秒5というタイムは、あまりにも衝撃的だった。 20年以上の時が流れ、馬場が高速化してもなお、この数字に迫る馬は現れない。 それは、彼が単なる「強い馬」ではなく、時代を超越した「スーパーホース」であったことの証明に他ならない。

語り継がれる秋

翌年、英国へ遠征しインターナショナルSで僅差の2着に健闘したことも、彼の実力が世界レベルであったことを示している。 引退後、その血は娘たちへと受け継がれ、物語は続いていく。
2022年、彼は天国へと旅立った。 いま改めてそのキャリアを振り返ると、あの秋の輝きがいかに特別だったかが分かる。 藤沢調教師の執念、ペリエ騎手の技術、そしてゼンノロブロイの成長力。 すべてが完璧に噛み合った奇跡の季節。 私たちは忘れない。あの秋、誰よりも速く、誰よりも強かった英雄の名前を。

「彼は本当に強かった。ブラボー、ゼンノロブロイ」
――O.ペリエ